H&K MP5K 【短機関銃】 †
モデル | 全長(伸長時) | 重量 | 発射形式 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 製造国 |
MP5K | 325mm | 2000g | S/F | 9mm×19 | 15/30/40 | 900rpm | ドイツ |
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MP5KA4 | 325mm | 2000g | S/3/F |
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MP5K-N | 350mm | 2000g | S/F |
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MP5Kコッファー | − | 6750g |
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MP5K-PDW | 368(603)mm | 2780g 2530g(UMPストック) | S/F | 9mm×19 | 15/30/40 | 900rpm | ドイツ(アメリカ) |
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高性能で有名な短機関銃であるMP5の小型版。"K"は「Kurz(ドイツ語で「短い」の意)」の頭文字。
1970年代、テロ活動の増加に伴い、いわゆるシークレットサービス系の要人警護の現場において、携帯可能かつ高い火力を持つ銃器の需要が増加したことから、H&K社がMP5を基に開発した小型短機関銃である。
設計としては、MP5をベースに銃身を4.5インチまで短縮し、レシーバー後端を切り詰めストックも廃することで全長12インチというコンパクトサイズを実現している。発射速度もボルトキャリアの短小化に伴って軽量となったことからMP5より上昇しているため、標準でフォアグリップを装備することで制御性を補っている。
警護時に武装を周囲にさらさないための専用の銃眼付きアタッシェケースに組み込まれた『コッファー』モデルや、ビジネスバッグに収納可能なモデルも作られ、収納したままでの射撃を補佐する曳光弾(トレーサー)などとのセット販売も行われたが、MP5ほどのセールスには至らなかった。
その後、1990年台にPDWの提唱により軍隊でも小型兵器の需要が生まれた事から、アメリカのコエート(Choate)社で開発された折り畳みストックを装備した「MP5K-PDW」モデルが登場。このモデルはパイロットなどの護身装備として大きなセールスを生み、制御性・携行性を両立した折り畳みストックにより、本来ターゲットとしていた要人警護やSWAT向けにも販売数を増やしていった。
この際の経験から、更に軽量で制御性・携行性に長けたモデルの開発が進められ、後のUMPの誕生へと繋がる事となる。
本銃を護身用火器として装備するアメリカ第160特殊作戦航空連隊のヘリ搭乗員達からは、形状が似ている事から「スキニーホッパーズ(皮下注射器)」の愛称で呼ばれている。
なお日本では、2007年に東京都町田市で発生した立て篭もり事件に出動した警視庁捜査一課特殊捜査班(SIT)が、PDW型を装備している事が確認され、話題となった。
各種バリエーション †
モデル | 解説 |
MP5K | 基本となったモデル。 |
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MP5KA1 | 照準器を簡素化するなどしてコンパクト化を図ったモデル。 |
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MP5KA4 | MP5A4を基として新たに製作されたモデル。4モードセレクター化 |
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MP5K-PDW | PDWとして運用するために開発された。折り畳みストックと大型のフラッシュハイダーが追加されている。 |
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MP5Kコッファー | 本項上述の本文内の通り、アタッシェケース偽装モデル。 試作品には、ブリーフケース偽装モデル*1も存在した。 |
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SMG I、II | MP5Kをベースに特殊作戦用に大きく改造された少数生産の試作モデル。 ボルトフォワードアシストやボルトロックといった静粛性に寄与する機能が追加。 マグリリースボタンがグリップを握ったまま操作しやすい位置に変更。 全てのコントロールがアンビ化されている。 MAC10のような上面コッキングハンドルや大型のフォアグリップを備える。 SMG IIはHK21タイプのアイアンサイトが装着されている。 |
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SP89 | 米国内民間向けモデル。セミオートオンリーで、米国内で法的に「拳銃」扱いとするためフォアグリップが無い。 HK94と同様に、映画等では一時期このモデルがMP5Kの代用として登場することが多かった。 |
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