トータル・リコール / Total Recall †
原作は、SF作家であるフィリップ・K・ディック の短編小説『追憶売ります』。1990年にポール・バーホーベン監督、アーノルド・シュワルツネッガー主演で実写映画化され、2012年にはレン・ワイズマン監督、コリン・ファレル主演によるリメイク版が製作された。
1990年版 †
1990年、アメリカ映画
監督:ポール・バーホーベン
・ストーリー
工事現場で働く平凡な労働者であるクエイド(アーノルド・シュワルツネッガー)は、ある日リコール社が開発した、夢世界で旅ができる装置を電車の広告で知り早速火星旅行を体感する。一度も火星には行ったことの無いはずだったが、何故か何度も夢で見ていて以前から知っているような感覚にとらわれる。
しかし、今までの生活は作られた日常だった。何と、会社の同僚であるハリー(ボビー・コスタンゾ)や妻のローリー(シャロン・ストーン)が突然襲いかかってきたのだ。何とか逃げ延びたクエイドは街中で、火星で同僚だったという謎の男からケースを受け取る。中には様々な道具と共にビデオメッセージが入っており、奇妙な事に自分そっくりの人物が映像に写る。ハウザーと名乗るその男から、「自分はコーヘイゲン火星長官の部下として情報局で働いていたがある事情から記憶消去を余儀なくされ、その対処として仮の記憶を植え付けたのが君だ」と説明され、クエイドは驚愕する。そして、ある任務を果たすため火星へ向かって欲しいという。
奇しくも火星へ行くことを望んでいたクエイドは、火星行きを決意する―――
2012年版 †
2012年、アメリカ映画
監督:レン・ワイズマン
・作品解説
『アンダーワールド』のレン・ワイズマン監督によるリメイク作。1990年のバーホーベン版では、物語途中から火星が舞台となり、人間とミュータントの対立を描いていた。リメイク版では火星は登場せず、北米・ヨーロッパ連合の“ユーロメリカ”とアジア連合の“ニュー上海”の二大勢力が対立する地球が舞台になっている。ただしこの設定は、ブリテン連邦(ヨーロッパ大陸)の富裕層と、コロニー(オーストラリア大陸)の労働者層・・・という階級社会に変更された*1。
コリン・ファレル演じるダグラス・クエイドは、当初はユーロメリカとニュー上海の二重スパイという設定だったが、前述の世界観変更により、1990年版同様、平凡な労働者というキャラクターに落ち着いた。ちなみに、クエイドの妻であるローリー(ワイズマン監督の妻である、ケイト・ベッキンセールが演じている)は、1990年版でコーヘイゲンの右腕だったリクターの役回りを兼ねている。
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