ジャッカルの日 / The Day of the Jackal †
正体不明の殺し屋・ジャッカルとそれを追う者の闘いを描いた、フレデリック・フォーサイスによるスリラー小説。
原作小説 †
ジャッカルの日 (原題:The Day of the Jackal) †
1971年、角川文庫
著:フレデリック・フォーサイス
・ストーリー
1960年代のフランス。ドゴール政権に不満を抱く極右組織OASは、大統領暗殺を計画するが幾度と無く失敗に終わってしまう。最終手段として彼らが選択したのは、“ジャッカル”と呼ばれる外国人の殺し屋を雇うこと。
かたやこの暗殺計画を察知したフランス警察は、ドゴール大統領の暗殺を阻止すべくルベル警視にジャッカル追跡の任を与える―――
映画版 †
ジャッカルの日 (原題:The Day of the Jackal) †
1973年、イギリス・フランス映画
監督:フレッド・ジンネマン
・作品解説
1997年公開の『ジャッカル』(後述)とは異なり、原作小説を忠実に再現している。ドキュメンタリータッチの演出や、BGMがほとんど流れないなど、独特の雰囲気で好評を博した。
ちなみに劇中使用された組立式の狙撃銃は銃器ファンの間で話題になり、スコープ付きのトイガンが流行したという。また『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』のジョンガリ・Aのように本作に大きな影響を受けたと思われるキャラクターもいる。
ジャッカル (原題:The Jackal) †
1997年、アメリカ映画
監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
・ストーリー
ロシア政府とアメリカ連邦捜査局(FBI)は、チェチェン・マフィアによる麻薬密輸の共同捜査を行っていた。マフィアの幹部を逮捕すべくナイトクラブに押し入るが、一触即発の状況に陥り、ヴァレンチーナ・コスロヴァ少佐(ダイアン・ヴェノーラ)が正当防衛とはいえ相手を射殺してしまう。さらに不幸なことに、殺された幹部は何とマフィアのボスの弟だった。この件にFBIが関わっていたことから、マフィアは報復措置として合衆国政府高官の暗殺を目論む。失敗は許されないため、裏の世界では伝説とされている殺し屋“ジャッカル”(ブルース・ウィリス)を雇うことに。
一方、この暗殺計画を察知したFBIは、正体不明であるジャッカルの詳細を知る数少ない人物がアメリカ国内にいることを知る。加えてその人物と面識のある男が、現在刑務所に服役していることも判明。その男とは、元IRA構成員のデクラン・マルクィーン(リチャード・ギア)。FBI副長官・プレストン(シドニー・ポワチエ)は、減刑を条件にデクランから情報提供者の居所を聞き出そうとするが拒否されてしまう。
万策尽きたその時、デクランが意外な言葉を発する。「俺はジャッカルに会ったことがある」―――と。
・作品解説
当初は1973年公開の『ジャッカルの日』のリメイクとして企画された。しかし原作者から「同じタイトルを使用しないで欲しい」と要請があったり、時代設定・ストーリーも大幅に変更が加えられているため、原作設定を用いた全くの別作品となっている。
特にジャッカルが暗殺に使用する銃が、『ジャッカルの日』の狙撃銃から、大口径の重機関銃へと変更されていることは注目すべき点である。現代に甦ったジャッカルの暗殺銃は、M2重機関銃を改造したとされる架空の機関銃で専用端末を用いてリモート操作が可能、という驚異的な進化を遂げている(手動で照準・射撃を行うという点を除けば、『エイリアン2』のセントリーガンと仕組みは似ている)。