ロボコップ / RoboCop †
映画 †
ロボコップ (原題 RoboCop) †
1987年、アメリカ映画
監督:ポール・バーホーベン
・ストーリー
財政危機により警察の経営が民間企業オムニ社に委ねられている近未来のデトロイト。
デトロイトに着任したばかりの警官、アレックス・マーフィーは同僚のアン・ルイスと共に強盗事件の捜査中、犯人のクラレンス一味に惨殺されてしまう。その後マーフィの遺体はオムニ社に回収され、若手幹部のモートンが立案した『ロボコップ計画』によりサイボーグ警官・ロボコップとして蘇ったのだった。
デトロイトの治安を取り戻す切り札として活躍を続けるロボコップ。しかしある日、失ったはずの『マーフィー』の記憶が蘇り始める。自分を殺した凶悪犯・クラレンス・ボティッカーを追い始めたロボコップは、やがてクラレンスの背後に親会社オムニの最高幹部が潜んでいる証拠をつかむ。
黒幕リチャード・ジョーンズを逮捕すべくオムニ社に乗り込んだロボコップだったが―――。
・作品解説
ロボコップのデザインには(実際の経緯は明らかでないものの)日本の特撮TV番組『宇宙刑事シリーズ(メタルヒーローシリーズ)』の影響がうかがわれるが、実弾飛び交う内容とヒーローの(ロボだけに)超人的なガンプレイ(背後の敵を振り返りもせず撃ち倒す、など)は、良い意味でアメリカ的、あるいはマカロニウェスタン的。特に1作目はポール・バーホーベン監督の趣味(?)で少々グロテスクな表現も目立ったものの、娯楽作品として大成功を収め、3本の劇場版に加えて、1時間枠でのTVシリーズも製作されている。また、デザインへの親近感もあってか日本での人気も上々で、後に『機動刑事ジバン』のジバンや『仮面ライダーBLACK RX』のロボライダーなどにデザインや独特の動作*1が逆輸入された。
余談ながら、このロボコップ。実際の経緯は不明だが、日本のCM、それもSFとは無縁なある食品会社のCMに顔を出していた時期がある。
ロボコップ2 (原題 RoboCop 2) †
1990年、アメリカ映画
監督:アーヴィン・カーシュナー
・ストーリー
前作から一年後のデトロイト。
街にはヌーク教団が密造する新型麻薬ヌーク(NUKE)が蔓延し、中毒者による犯罪が多発していた。
これを食い止めるべくロボコップたちはヌーク教団の壊滅に乗り出し、一度は教団の罠にかかって廃棄物処理場でバラバラにされるも復活し遂にボスであるケインの逮捕に成功する。
その頃、デトロイトを完全支配し再開発を計画するオムニ社はその目玉として新型ロボコップの開発に着手するも次々と失敗。その後、雇い入れた心理学者のジュリエット・ファックス博士の主導でロボコップ2を開発する。
その素体に選ばれたのは、なんと逮捕されたケインであった―――。
ロボコップ3 (原題 RoboCop 3) †
1993年、アメリカ映画
監督:フレッド・デッカー
・ストーリー
多国籍企業カネミツ・コーポレーションに買収された*3オムニ社は、3億5千万ドルという巨額の借金返済のためにオールドマン前会長の念願だったデルタ・シティ建設に着手。そのためにカネミツに雇われたポール・マクダゲット隊長率いるアマゾンから来た私設軍隊リハッブ(REHAB)隊は、立ち退き命令に従わない計画予定地の住民たちを暴力的な手段で次々と更生施設へと送り込む一方でメディアに圧力をかけその事実をもみ消していた。
その襲撃の際に両親とはぐれた少女・ニコは、レジスタンスを結成し抵抗活動を続けていたバーサ達によって助けられる。
凶暴なストリートギャング・SP(スプラッタパンクス)逮捕の帰りにニコと出会った事でその事を知ったロボコップはルイスと共に、施設からの脱走者達を逮捕しようとしたリハッブ隊に抵抗するも反撃にあい、ルイスは死亡。そしてロボコップも大ダメージを負ってしまう。
その後レジスタンスによって助けられたロボコップは、オムニ社を裏切ってレジスタンス側についたマリー・ラザラス博士によってオムニ社の支配から解放され、ルイスの仇を討つべくレジスタンスと共にリハッブ隊と戦うことを決意する。
その頃、計画の遅れに業を煮やしたカネミツによって派遣された最新鋭の忍者アンドロイド・オートモがレジスタンス壊滅の為に活動を開始していた―――。
ロボコップ(2014年) (原題 RoboCop) †
2014年、アメリカ映画
監督:ジョゼ・パジーリャ
・作品解説
映画『エリート・スクワッド』を手掛けたブラジル人監督のジョゼ・パジーリャによるリメイク版。マーフィー/ロボコップ役は、『イージーマネー』のヨエル・キナマンが演じる。
TVシリーズ †
ロボコップ プライム・ディレクティヴ (原題 RoboCop: Prime Directives) †
・ストーリー
ロボコップ誕生から10年。オムニ社管理の下、『世界でもっとも安全な町』へと変貌を遂げたデルタ・シティ。しかし、その影で腐敗は進行していた。野心あふれる二人のオムニ幹部、ダミアン・ロウとサラ・ケーブルの強引な権力闘争、そしてかつてオムニを追われたマッドサイエンティスト・ケイディックの復讐劇が、オムニとデルタ・シティを破滅へと導いていく。
その混乱と闘争の渦に、10年間町の治安を守り続けたロボコップ―――アレックス・マーフィーと、成長し、今やオムニ幹部へと出世した息子ジェームズ・マーフィーも巻き込まれていく。そして、邪魔者となったロボコップを抹殺すべく送り込まれたのは、マーフィーのかつての同僚、ジョン・ケーブルを改造した新型ロボコップだった―――。
・作品解説
前作から10年後という設定で新たに制作されたTVシリーズ(90分枠・全4話)。
おなじみ低俗路線丸出しのCMシーンなどは引き継がれているものの、全体的には巨大企業やテクノロジー、そして『人間』の暴走を描いたシリアスな内容。改造前のマーフィーを描く回想シーンもあり、ちょっとした刑事ドラマ的な迫力である。前のTVシリーズでは排除されていた流血・暴力シーンも復活している(映画版には及ばないが)。
ややテンポの悪いところもあるが、アクションシーンも気合いが入っており、二挺のオート9を操る新型ロボコップや、ロボコップ同士のメキシカン スタンドオフなど、新たなトレンドを取り入れた見せ場も多い。
日本ではTV放映はおろかビデオレンタルもされなかったため知名度が低く、また『例のテーマ曲』が使われないなど寂しい面もあるものの、なかなか見応えのあるシリーズとなっている。
その他設定 †
オート9 (Auto 9) †
ロボコップのサイドアームであるオート9は、ベレッタ 93Rを改造して製作されたプロップガンである。主な特徴は、コンペンセイターとバレルウェイトを兼用する大型パーツ、アイアンサイトの大型化、プラスチック製のカスタムグリップなど。設定では装弾数50発とのことだが、実際はオリジナルの93R同様、20連弾倉を使用している。通常はロボコップの右太腿部に収納されており、自動で出し入れする。
その威圧的な外見で人気が爆発し、ジャッキー・チェン主演の実写版『シティーハンター』や、PC恋愛ゲーム『FESTA!! -HYPER GIRLS POP-』など、『ロボコップ』とは関係の無い作品にも登場している。
なお、3作目のオート9の発砲シーンでは、諸般の事情から92Fをベースに製作されたプロップガンが使われており、銃の構造の関係から3点バーストは再現されておらず、フルオートとなっていた。このため劇中、92F同様のスライド部のセレクターが窺える。この92Fベースのオート9は、のちに映画『シン・シティ』でブルース・ウィリス演じるハーティガンが殺し屋から奪って使用する銃として、チョイ役ながら登場している。
決めゼリフ †
第1作。序盤のクラレンスのアジト、マーフィーがエミールを追いつめて;
“Go ahead and do it. Dead or alive, you're coming with me.”
(やってみろ。殺してでもしょっ引いてくぞ)
中盤でも飛び出し、ロボコップが自分の過去を知るきっかけとなるセリフ。 『プライム・ディレクティヴ』にも同様のセリフが出てくる。
上記の台詞(原文)はMGM映画『ロボコップ』からの引用です。
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