ハンニバル・レクター・シリーズ / Hannibal Lecter Series †
天才的な頭脳を持つ精神科医でありながら、人肉嗜好(カニバリズム)の猟奇殺人犯でもあるハンニバル・レクター博士を主役とする、トマス・ハリスの小説シリーズ。
原作小説が4作品、原作を元にした映画が5作品制作されている。
小説版 †
レッド・ドラゴン (原題:Red Dragon) †
1981年、ハヤカワ文庫
著:トマス・ハリス
・ストーリー
FBIアカデミー教官のウィル・グレアムは、満月の夜に発生した一家惨殺事件の捜査を担当していた。彼は犯人の情報を得るため、以前連続殺人事件で逮捕した精神科医のハンニバル・レクター博士を尋ねることに。
しかし犯人は新聞でグレアムの動向を掴みつつ、次の犯行を実行しようとしていた―――
羊たちの沈黙 (原題:The Silence of the Lambs) †
1988年、新潮文庫
著:トマス・ハリス
・ストーリー
FBIアカデミー訓練生のクラリス・M・スターリングは、バッファロー・ビル事件を捜査していた。犯人はこれまでに5人の若い女性を殺害し皮膚を剥ぎ取っており、いつ次の被害者が現れてもおかしくない状況であった。
クラリスは犯人を捕まえるために、収監されている精神科医ハンニバル・レクターの元を訪れる―――
ハンニバル (原題:Hannibal) †
1999年、新潮文庫
著:トマス・ハリス
・ストーリー
バッファロー・ビル事件から7年。FBI捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから非難を浴びていた。
そんなある日、彼女の元に差出人不明の一通の封筒が届く。中身は「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」と記された手書きの文字。だが封筒の差出人は、何と欧州で安穏な生活を送るハンニバル・レクターその人であった―――
映画版 †
刑事グラハム/凍りついた欲望 (原題:Manhunter) †
1986年、アメリカ映画
監督:マイケル・マン
・作品解説
原作小説『レッド・ドラゴン』の映画化作品。ビデオリリースの際に『レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙』と改題された。
2002年には『レッド・ドラゴン』のタイトルで再度映画化されている(後述)。
羊たちの沈黙 (原題:The Silence of the Lambs) †
1991年、アメリカ映画
監督:ジョナサン・デミ
・作品解説
同名小説の映画化作品。ハンニバル・レクター役を演じたアンソニー・ホプキンスは、本作でアカデミー主演男優賞を受賞した。
ハンニバル (原題:Hannibal) †
2001年、アメリカ映画
監督:リドリー・スコット
・作品解説
同名小説の映画化作品。物語の結末が、原作と比べ大きく異なっている。
レッド・ドラゴン (原題:Red Dragon) †
2002年、アメリカ映画
監督:ブレット・ラトナー
・作品解説
同名小説の2度目の映画化作品。
ハンニバル・ライジング (原題:Hannibal Rising) †
2007年、アメリカ=イギリス=フランス合作映画
監督:ピーター・ウェーバー
・ストーリー
1952年のリトアニア。戦争で家族を失ったハンニバル・レクター(ギャスパー・ウリエル)は、妹のミーシャ(ヘレナ・リア・タチョヴスカ)と廃屋に隠れる生活を送っていた。そこに敗走してきた対ドイツ協力者の兵士たちが現れる。逃走ルートが封鎖され立ち往生を余儀なくされた兵士たちは、この廃屋に居座るようになってしまう。兄妹を拘束した彼らは食糧を独占していたが、それが尽きると知ると、世にも恐ろしい行動に出るのだった。不幸な出来事でハンニバルは記憶を失うが、何とか彼らから逃げ出すことに成功する。
それから8年後。ソ連の孤児院に収容されていたが、戒律から逃れるため親戚のいるパリへ逃亡。そこで後の人格形成に影響を与える女性、レディ・ムラサキ(コン・リー)と出会うのだった―――
・作品解説
同名小説の映画化作品。時系列的にはハンニバル・シリーズで最初の作品となる。少年時代のハンニバル・レクターが描かれており、配役もアンソニー・ホプキンスではなく若手のギャスパー・ウリエルが演じている。