ザ・ロック / The Rock †

・ストーリー
　非合法の秘密作戦により、多くの部下を失った海兵隊武装偵察部隊のフランシス・X・ハメル准将(エド・ハリス)。その犠牲に何ら報いようとしないアメリカ政府に業を煮やした彼は、100万の市民を人質に政府から"報償金"を強奪するという強行策に出る。金で雇った海兵隊を率い海軍の武器庫を襲撃し、VXガス搭載の短距離ミサイルを強奪。さらにザ・ロックこと旧アルカトラズ島刑務所に籠城し、人質を取りサンフランシスコを射程にとらえ合衆国政府を脅迫する。
　史上最悪のケミカルテロを阻止すべく、アメリカ軍、FBIが動き出すが、敵は最強の化学兵器と百戦錬磨の海兵隊指揮官。さらにアルカトラズは過去の増改築により正確な見取り図さえない。そこで政府は、FBIの科学兵器スペシャリストであるグッドスピード(ニコラス・ケイジ)と、過去ただ一人アルカトラズからの脱獄に成功した、幽閉中の元MI6部員・兼SAS隊員メイソン(ショーン・コネリー)を、海軍特殊部隊SEALとともにザ・ロックに潜入させる。
　しかし、SEAL部隊は潜入を察知され全滅してしまう。生き残ったのはグッドスピードとメイソンただ2名。孤立無援の中、それでも2人は協力しながらVXミサイルを一つ一つ無力化していく。しかし、事態は首謀者ハメルでさえ予想もしなかった方向に動き始めた―――

・作品解説
　いわゆる『ダイ・ハード』型の「孤軍奮闘＋立てこもり」アクションだが、敵役に“高潔なるが故にかえって道を踏み外してしまった悲運の名将”を据えたことで、凡百の作品とは一味も二味も違うフィルムに仕上がった。実戦はズブの素人のグッドスピードと、歴戦の勇士メイソン*1の凸凹コンビ、あるいはバディ(相棒)ムービー的な面白さも、他ではなかなか見られない。
　マニア的には、(あっという間にケリがついてしまうものの)“海兵隊偵察部隊 vs SEAL”という珍しい対決も一つの見所。