MAC M10 "イングラム MAC10" / MAC Model 10 "Ingram MAC-10"【短機関銃】 †
モデル | 全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
9mm | 269(548)mm | 2.84kg | 9mmx19 | 32 | 1000発/分 | S/F | アメリカ |
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.45ACP | 269(548)mm | 2.84kg | .45 ACP | 30/40 |
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1964年にゴードンB. イングラムによって設計された軍用短機関銃(「機関拳銃」に分類される場合もある)。
Sionics社で試作開発が行われ、1970年になってミリタリー・アーマーメント・コーポレーション(Military Armament Company:MAC)から製造・販売された。公式には「M10」が製品名であったが、一般的には「MAC10(マックテン)」或いは設計者の名をとって「イングラムMAC10」と呼ばれた。
その後、会社の倒産などで発売元を転々と変える運命となり、現在はM11と共にマスターピースアームズ(MasterPiece Arms)社やバルカンアーマメント(Vulcan Armament)社で生産されている。
作動はオープンボルト方式の単純なブローバック。ブロック形状のL型ボルトが角型断面の機関部に組み込まれており、ほとんどの部品がスチール板をプレス加工して成型されている。構造も単純で生産性に優れ、なおかつ堅牢である。
また、サイズの割にフルオート連射サイクルが非常に速い。32連マガジンが1.5秒で空になるほどで、よほどの熟練者でないと制御は難しい。
サプレッサーを装着することを前提としているため、最初から銃口にネジが切られている。サプレッサーは減音効果のみならず、添え手で保持するフォアエンドがわりの役目も期待されていたため、火傷防止用の断熱カバーも用意されていた。またフォアグリップ代わりのハンドストラップ*1を取り付けることも可能。
開発された当時、西側諸国にはこのクラスの小型短機関銃はほとんどなく、アメリカ、イスラエルなどの特殊部隊でも少数ながら採用されていた。頑丈さが功を奏したか、1970年代にアメリカ海軍特殊部隊SEALに納入された製品が、1991年の湾岸戦争で使用された例もあったという。
なお、.45ACPモデルのマガジンはM3グリースガンと互換性がある。また、イギリスのS.F.Firearmsが生産していたモデルのマガジンはウージーと互換性がある。
ちなみにアメリカ映画界では、一時期入手が難しかったウージーの代用品として、本銃をベースにしたプロップガン(通称"ウジグラム")が度々使用された。
南アフリカのメカム社(当時アームスコー社傘下)は、M10をベースとするBXPというクローンモデルを製造していた時期がある。
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外部リンク †
・INGRAM MAC M/10 ムービー