沈黙シリーズ †
1992年〜,アメリカ映画
主演:スティーブン・セガール
配給:(主に)ワーナー・ブラザース
「刑事ニコ/法の死角」で一躍スターダムにのし上がったスティーブン・セガールの代表作。
日本国内では邦題が全て「沈黙の〜」と統一され、まるで全てが同じシリーズのように扱われているが、実際に続き物になっているのは「Under Siege」2作(「沈黙の戦艦」、「暴走特急」)のみである。
この一連の作品やセガール主演映画でたびたび登場するM1911には、セガールが趣味で集めている自前のコレクションが一部含まれている。
彼は観賞用カスタムから最新の近代化M1911まで幅広くコレクションしているらしい。
武術修行を目的とした来日経験を持ち、流暢な関西弁を操りつつも凄腕の格闘家であるセガールの「本物」の技が随所で冴える。
セガール自身の実年齢は50を軽く越えているが、技や肉体のキレは相変わらずである。
沈黙の戦艦 (原題:Under Siege) †
1992年
監督:アンドリュー・デイビス
・ストーリー
1992年の退役を迎え、ハワイからアメリカ本土に最後の航海に出たアメリカ海軍のアイオワ級戦艦・USSミズーリ(BB-63)。
その艦上で行われる艦長の誕生日パーティを演出するため、あるロック・バンドを呼び込んだ。しかし、彼らはウィリアム・ストラニクス(トミー・リー・ジョーンズ)率いたテロリストであった。さらに、副艦長のクリル中佐がそのテロ計画を裏で支援していた。彼らは計画を遂行するため、艦長を殺害し海兵を船倉に監禁した。
しかしただ一人、厨房で働くコック長のケイシー・ライバック兵曹(セガール)は監禁を免れていた。元海軍特殊部隊・SEALの対テロ部隊指揮官であったライバックはテロリストによる襲撃を察知、艦を奪還するための反撃を開始する…
・作品備考
実際にUSSミズーリが劇中に登場したのは航行シーンやラストシーン程度で、艦上でのシーンは全て係留保存されていたUSSアラバマ(BB-60)をミズーリ風に改造して撮影した。
ストーリーはよく「海洋版ダイ・ハード」と言われるが、実際にこの後年公開の「ダイ・ハード3」は海上アクションの予定であったのを、本作に先を越されたため企画の変更を強いられたという。
沈黙の要塞 (原題:On Deadly Ground) †
1994年
監督:スティーブン・セガール
石油会社に雇われ、油田火災の消火を請け負う『爆破屋』フォレスト・タフト(セガール)だが、会社の強引な姿勢に次第に疑問を抱く。雇い主に消されそうになったタフトは、アラスカの欠陥油田の操業を食い止めるため、要塞と化した油田に侵入する。
環境問題に大きな関心を持つスティーブン・セガールの意向が大いに反映された作品。何でもかんでも(?)『沈黙』の枕詞がつく様になったのはこの作品からである。環境保護に精神世界と、ストーリーは微妙なノリだが、ガンプレイ、アクションシーンは相変わらずの切れを見せる。大企業と傭兵(民間軍事会社)とのきな臭い関係が描かれるのも見所。なお、ゴールデンラズベリー賞の「最低監督賞」を受賞している。
暴走特急 (原題:Under Siege 2:Dark Territory) †
1995年
監督:ジェフ・マーフィー
・ストーリー
アメリカのCIAは極秘に監視システム及び粒子ビーム砲搭載の人工衛星「グレイザー1」を打ち上げた。その打ち上げは成功し、関係者は安堵した。
一方、ケイシー・ライバック(セガール)は姪のサラとの列車旅行をスタートさせていた。しかし突如として銃声が轟き列車は急停止、武装したテロリストが車内を占拠した。乗員・乗客とサラはテロリスト達に捕まり監禁されるが、ライバックは調理室の冷蔵庫に逃れていた。
テロリスト達の目的は列車に乗っていた「グレイザー1」の関係者であった。暗証コードを聞き出した後に殺害し結果、粒子ビーム砲搭載の人工衛星はテロリストの手に墜ちてしまった。
姪のサラを含めた民間人、そして合衆国を救うべくライバックはまたしても1人でテロリスト達への反撃を始めるのであった。
沈黙の断崖 (原題:Fire Dowm Below) †
1997年
監督:フェリックス・エンリケス・アルカラ
・ストーリー
アメリカ環境保護局の調査官ジャック・タガート(セガール)は、親友の調査官の死をきっかけにある町で起こった有毒廃棄物の不当投棄事件を担当する。
ジャックは内部告発者や教会牧師の協力を得て町に潜入することに成功する。しかし、余所者を嫌う一部の住民からの妨害を受ける。が、ジャックはそれを退け有毒廃棄物を不当投棄する一味は対応に苦慮する。
そんな折、ジャックは町の人間から除け者にされているサラ・ケロッグという女性と出会う。彼女は父親を銃の暴発で死なせてしまっていたが、町の人間はサラが父親を殺したと思っていた。ジャックはサラを通して町の内情を調査するが、住民は全く協力的ではなかった。それにはオーリンという人物が経営する巨大企業が関係していた…
沈黙の陰謀 (原題:The Patriot) †
1998年
モンタナ州の田舎町・エニスで悪質な伝染病が発生。それは極右的なミリシア(民兵組織)を率いるフロイド チザムが仕掛けたバイオテロだった。政府から盗み出した致死性ウイルスMAM-37を、自らを媒介として町にばらまいたのだ。
だが、ウイルスは突然変異を起こし、フロイド、そして政府が準備していたワクチンが無効となってしまう。焦ったフロイドは、MAM-37に感染しながらただ一人抗体を作った少女、ホリー・マクラーレンを拉致しようとする。かつてMAM-37の研究に関わりながら、政府に失望して片田舎に引きこもっていた医師・ウェスリー・マクラーレンは、娘と町を救うため、フロイドと対決する。
生物兵器と極右集団との『悪夢の合体』を描いた作品。一見温厚そうなのに、恐ろしく独善的で歪んでいるミリシアのボスが強烈。
しかし、シリーズ中最もセガールのアクションシーンが少なく、銃撃戦もまばらで、その点では少々残念な作品でもある。
沈黙のテロリスト (原題:Ticker) †
2001年
サンフランシスコ市警の爆弾処理班グラス(スティーブン・セガール)が伝説の爆弾魔スワン(デニス・ホッパー)に挑む。
アクションシーンが見づらかったり物語の展開がわかりにくかったりと、ファンからの評価はあまりよくない。
「9/11」以降、『沈黙のテロリスト』という邦題は『沈黙シリーズ/Ticker』と変更された。
沈黙の聖戦 (原題:Belly of the Beast) †
2003年
監督:チン・シウトン
タイで旅行中の元CIA工作員ジェイクの娘ジェシカと上院議委員の娘サラがイスラム過激派グループに誘拐される。彼らはアメリカ政府に1週間以内に拘留中の仲間を釈放するよう要求する。
政府が要求を退けることを知ったジェイクは、ジェシカを救出するべく単身でタイに潜入。タイで修行中の、昔の相棒スンティの協力を得て組織に関する情報を探っていく。そしてタイ軍部やCIAをも敵に回し絶大な戦いに身を投じていく……。
2004年に日本でのみ劇場公開、製作国のアメリカではビデオ販売のみであった。
沈黙の奪還(原題:Shadow Man)
2007年
元CIA捜査官のジャックは引退後、企業家として成功を収めていた。今度の休暇は娘のアマンダらと共に、ルーマニアへ旅行する予定だった。しかし仕事の都合で同行できなくなったジャックは、義父のジョージやアマンダとは1日遅れでルーマニアに入る事に。
ルーマニアに降り立ったジャックは、空港で二人に迎えられる。しかしその直後、ジョージの乗る車が突然爆発。さらにアマンダも何者かに連れ去れてしまい…。