パニッシャー / The Punisher †
原作はマーベルコミックの人気シリーズ。
主人公はギャング同士の抗争で家族を殺されたベトナム帰還兵のフランク・キャッスル。復讐に燃えるキャッスルは、胸にスカルマークを描いた黒いスーツを纏い、社会に蔓延る悪人を次々と処刑するパニッシャーとなった。
1989年の映画版は基本的に原作のストーリーに準拠しているが、主演のドルフ・ラングレンの気紛れでスカルマークを衣装に取り込むことは無かった。2004年の映画版では多少設定の変更がなされている。キャッスルはベトナム帰還兵ではなくFBI捜査官であったり、家族はマフィアの仇討ちによって殺されるなど。2008年には、バイオレンスさに磨きがかかった『パニッシャー:ウォー・ゾーン』が制作された。
THQからは3人称視点ACTゲームとしてリリースされている。
映画 †
パニッシャー(1989年版) (原題 The Punisher) †
1989年、オーストラリア映画
監督 マーク・ゴールドブラット
パニッシャー(2004年版) (原題 The Punisher) †
2004年、アメリカ=ドイツ合作映画
監督:ジョナサン・ヘンズリー
・ストーリー
法の目をかいくぐり、絶対的な力によって裏社会を支配する資産家ハワード・セイント(ジョン・トラボルタ)。ある夜、セイントの溺愛する息子・ボビーが密輸取引の現場でFBI捜査官に射殺された。ボビーを死に至らしめた一人の男、FBI潜入捜査官フランク・キャッスル(トーマス・ジェーン)の存在を知ったセイントは、フランクへの報復を誓う。
一方、任務を終えたフランクは休暇をとり、家族と幸せなひと時を過ごしていた。そこへ、セイントの一味が現れ愛する妻と息子、そして父(ロイ・シャイダー)までが無残に殺されてしまう。フランク自身も銃弾に倒れたが、奇跡的に一命を取り留める。一人生き残った彼は、法に代わり自らセイントへ制裁を下すことを心に誓い、闇の私刑執行人“パニッシャー”へと生まれ変わるのだった―――
・作品解説
1989年版及び2008年版とは異なり、フランク・キャッスルがパニッシャーとなる過程を描いた作品。
2009年に発売されたBlu-ray版には追加シーン(「もうひとつのオープニング」)が収録された。内容は湾岸戦争従軍時代のキャッスルをアニメーションで描いた映像特典である。
監督自身のコメンタリーによると本作は予算不足等の問題で、シーンの大幅カットを余儀なくされたと述べている。本来はキャッスルがクウェートで交戦するシーンから本編が始まるはずだったが、予算の関係上当該シーンそのものの撮影を中止(変わりに武器密売のシーンに変更されている)。またハリー・ヘックの襲撃シーンについては、長時間のチェイスシーンを撮る予定だったが、これも予算の都合で大幅カットされている。
コメンタリーで監督は続編の製作に意欲を示していたが、結局スタッフ・キャスト及び設定等を一新した『パニッシャー:ウォー・ゾーン』が製作されることになった。
・『Dirty Laundry』
本作でパニッシャー役だったトーマス・ジェーンが、再びパニッシャーを演じた短編映画『Dirty Laundry』が、2012年のコミコン・インターナショナルで公開されている。ストーリーは、一般市民に暴力を振るうストリートギャングを、一部始終を目撃していたパニッシャーが制裁を加えるという内容。2004年版のアクションシーンは、ヘンズリー監督の意向で暴力描写を抑えたものだった。しかし、この短編映画では、ガンファイトは控えめながら、『パニッシャー:ウォーゾーン』に匹敵する過激なバイオレンスシーンが描かれている。
いわゆるファンメイドムービーであり、発行元のマーベルコミックスは一切無関係の模様。共演はロン・パールマン(『ヘルボーイ』シリーズ)とサンミ・ロティビ(『ティアーズ・オブ・ザ・サン』、『ロード・オブ・ウォー』)。監督は、ロックバンド・U2を題材にした映画(『魂の叫び』、『ウィズアウト・ユー』)でも知られるフィル・ジョアノーと、映像のプロによって製作されている。
パニッシャー:ウォー・ゾーン (原題 Punisher: War Zone) †
2008年、アメリカ映画
監督:レクシー・アレクサンダー
・作品解説
元は2004年版の続編となる予定だったが、キャスト・スタッフ・設定等をリセットして再スタートした本作。前2作では控えめだったスカルマークのコスチュームを全編に渡って着用しているなど、原作の雰囲気に近づいている点が特徴である。
テレビドラマ †
パニッシャー シーズン1 (原題 The Punisher) †
2017年、アメリカ作品
・作品解説
「デアデビル」でパニッシャーを演じたジョン・バーンサル主演によるスピンオフ作品。シーズン1ではパニッシャーによるさらなる復讐のほかに、政府の極秘作戦や帰還兵問題といった問題に触れていく。また、本作におけるビリー・ルッソ(後のジグソウ)は、"アンヴィル"という民間軍事会社(PMC)の経営者で、パニッシャーの元戦友という設定になっている。
ゲーム †
The Punisher †
2005年、ゲーム(PS2/Xbox/PC)
THQ
・作品解説
3人称視点シューティング(TPS)。処刑方法は銃器による射殺以外にも、「オーブンに入れる」「高層ビルから逆さ吊り」といったものが用意されている。
パニッシャー(カプコン版) (海外名 The Punisher) †
1991年、ゲーム(業務用/メガドライブ(海外のみ))
カプコン
・作品解説
カプコンから開発、発売されたアクションゲーム。横に長く奥行きがあるステージを、パンチやキックなどで敵を倒しながら進む、ベルトスクロールアクションと呼ばれる方式である。
1Pキャラはパニッシャーことフランク・キャッスル、2Pキャラはニック・フューリーとなっている。キャラによって技が異なる他、セリフや展開が若干異なる。例えば、フランクが敵から情報を聞き出したあと射殺するシーンが、ニックだと気絶させるだけになっている。
The Punisher: No Mercy †
2009年
開発元:Zen Studios、発売元:Sony Computer Entertainment
プラットフォーム:プレイステーション3
・作品解説
プレイステーションネットワーク(PSN)でオンライン販売されているFPSゲーム。使用武器は、レベルの上昇で攻撃力・装弾数・連射速度などがアップする仕組みである。