ゴルゴ13 †
1968〜,小学館,さいとう たかを
国籍,本名,年齢等が一切不明の超A級狙撃手・ゴルゴ13(デューク 東郷)の活躍を描くアクション劇画。連載開始から一度の休載もなく続いている。
2021年9月24日に原作者がすい臓がんで逝去したが、連載については「さいとう先生のご遺志のもと、スタッフと編集部協力のうえ、今後も継続する予定」とした。
ゴルゴ13の狙撃の最大射程は2km。拳銃を抜く速さは0.17秒、0.04秒に一発の連射ができる。こうした超人的な射撃能力だけでなく、情報収集など事前の入念な下調べから実行される驚くべき作戦、また豊富な知識を利用した咄嗟の機転などが見どころ。
また、ストーリーの元となる情報は読者からも多く寄稿されており、様々な世界情勢や技術情報を折り込んだシナリオは非常に読み応えのあるものとなっている。
作中でゴルゴ13は狙撃専用の銃ではないM16を愛用しているが、これは銃に詳しくなかった作者は、ゴルゴ13の連載を始めるにあたり、銃に詳しい友人に銃を紹介してくれと頼んだところ、友人はスナイパーの漫画とは聞いておらず、その時人気のあったM16を選び、作者に紹介したのだという。いずれにせよ、この作品によって日本でM16(とその性能)が有名になったことは確かである*1。
後に作中ではM16である理由についてゴルゴ13自身は自分が「一人の軍隊」であるからと語っており、信頼性を置いても狙撃のみならず接近戦などもこなすことが出来るM16こそが最も適しているからであると説明されている。*2
また、90年代に開発されたM4やM16A4などはキャリングハンドルを外してマウントレールにスコープやダットサイトが装着できるが、ゴルゴ13の使用するM16は、68年発表の第1話から既にキャリングハンドルをはずし直接フレームにスコープを装着できるようにカスタムされていた。エピソードによっては外見的には明らかにM16であるにも関わらず7.62mm弾使用との記述があるなど、話数を追うごとに増える独自カスタムには限度がなく、もはや単純にM16とは呼べないレベルにある。
M16以外に関しても「.22LR仕様の銃を.30-06に改造」「狙撃銃の銃身を自転車のパイプとして組み込む」など些か非現実的なものが散見されるが、こうした突飛なギミックはゴルゴ13や他の日本の作品に限ったものではないことは留意すべきであろう。
作中でその名称が採用された訳ではないが、長きに渡る連載を記念して近年では遊戯銃メーカーのウエスタンアームズから「G13A3 SV」なる名称でゴルゴ13モデルとされるM16カスタム・エアソフトがリリースされている。作中でもたびたびゴルゴ13に関する符牒として使用される「G13」と、精度で知られるH&K社製品に冠される「G○○A○」のネーミングを踏襲した興味深い商品名である。
ゴルゴ13 メインアーム †
ゴルゴ13使用武器 漫画 †
脇役使用武器 漫画 †
映画 †
アニメ †
登場作品 | 使用者 | 銃器名 | 備考 |
ゴルゴ13 | ゴルゴ13 | M16 | − |
ゴルゴ13 QUEEN BEE | ゴルゴ13 | SW M36 | − |
アニメ(2008年版) †
映像作品化されることの少ない本作であるが、2008年初頭から2009年にかけて連続シリーズとして再アニメーション化されている。
主演のゴルゴ役には、数々の刑事ドラマで主役を張ってきた舘 ひろし氏が声優として参加した。