シグ SG550 / SIG SG550 【突撃銃】 †
モデル | 全長 | 重量 | 連射速度 | 発射形式 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
SG550 | 998mm | 4.1kg | 700発/分 | S/3/F | 5.56mm×45 | 5/10/20/30 | スイス |
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SG550スナイパー | 1130mm | 7.1kg | − | S |
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スイス陸軍がStgw57(SG510)の後継として制式採用した突撃銃。シグ社が自社のSG540を元に試作した「SG541」の生産モデルである。
1983年に公開され、翌年「SG550」と改称、1986年から生産がスタートし、4年後の1990年に計600,000挺が配備され、制式名「Stgw90」が与えられた。
命中精度や耐久性に優れ、当時はもっとも優秀な突撃銃と評する者も居たほど総合評価は高い。
ボルト周りはAK47を参考にしたロングストローク・ガスピストンとなっている。ただしAKと異なり、ライフルグレネードが使用可能で、発砲の際にガス圧作動をカットするためのガスレギュレーターを備え、リターンスプリングはボルトキャリア前方に配置されている。
銃身下に専用のグレネードランチャーが装着可能なほか、蓄光素材を利用した夜間射撃用のナイトサイトを標準装備する。ガスブロックとフラッシュハイダーとの間にある銃身のバルジは、ライフルグレネード装着用のリングである。
セレクターはいわゆる4ポジション(セーフ・セミオート・3点バースト・フルオート)であるが、セーフティガードと呼ばれるパーツを回転させておくと、セレクターが誤ってフルオートになるのを防ぐことができるという珍しい機能がある。
弾倉は(採用当時では)画期的な、残弾の視認ができる半透明のポリマー製である。また弾倉連結用の留め具が一体成型され、マガジンクランプや金具無しに複数の弾倉を繋げる事が出来る。
スイスは地形的に山岳部が多いことから、遠距離狙撃が重要視されるため、NATOスタンダードの5.56mm×45(SS109)よりも重い弾頭を持ち、遠射能力に優れる自国製の5.6mm Gw Pat.90弾(5.56mm×45と寸法自体は同一)に最適化されている。300m圏内では1MOA以内の集弾率を実現可能である。高倍率のスコープを用いれば、中距離では高い命中精度を持つスナイパーライフルとして運用可能となっている。
バリエーションとして、銃身長を短縮しバイポッドを排したカービンモデルのSG551、551よりさらにコンパクトなカービンであるSG552/SG553、狙撃用モデルのSG550スナイパーがある。
SG550スナイパーは射撃方式はセミオートのみに限定され、スコープ、2ステージトリガー、ブルバレル、フルアジャスタブルストック(折りたたみ式)、角度を調節できるパームレスト付きグリップ、より安定性に優れたバイポッド、銃身過熱による陽炎防止用のゴムバンドなど多くのオプションを備える。
また、7.62mm×51弾モデルのSG750やそのカービンモデルのSG751も登場している。
シグ社では、スイス国内用としては十分数を備蓄していることから生産を終了しており、輸出用ラインが少数稼働している状態となっている。
永世中立国で国民皆兵のスイスでは徴兵期間を終えた国民にライフルを貸与しており、多くの家庭でSG550が保管されている(弾薬は軍が管理する)。
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