ラインメタル/マウザー MG34 【軽機関銃】 †
1934年、ドイツ陸軍にMG34の名前で制式採用された軽機関銃。 軽機関銃クラスの重量そのままにベルト給弾機能を追加したことで、個人で運用可能な軽便さと高度な持続射撃能力を併せ持つことが可能となった。連続発射による銃身の劣化も銃身交換を簡単にして予備銃身を複数持たせる事で解決。さらに「ラフェッテ(銃架)」と呼ばれる三脚に設置すれば重機関銃の代用となり、ラフェッテに大仰角をつければ対空機銃としても使用することが出来た。また、本体マウントを介して装甲車輛などの車載機銃としても使用できる汎用性をも備えていた本銃は、汎用機関銃の祖と云われている。第一次世界大戦から戦間期までに当時の列強各国が開発し装備していた軽機関銃も、大なり小なりこうした汎用性を備えてはいたものの、頻繁なリロードを要するマガジン給弾式が主であったことから、ベルト給弾式の中量級機関銃や重機関銃の代用とするには制圧力に欠けたのである。 ラフェッテは、陣地設置に向いた高姿勢、歩兵に随伴しながらの携行と支援攻撃が可能な低姿勢、対空用に仰角を取る対空姿勢の3姿勢をとることが可能で、一見かさばるラフェッテを取り付けたままでもかなりの汎用性を発揮できた。また、ラフェッテに装備される光学照準器と、射撃の反動を利用して縦深方向に着弾を意図的にばら撒く射角調整機能を使用することで、遠距離の目標に対し、精緻かつ濃密な弾幕を張ることが出来た。この、MG34用のラフェッテ34(34式銃架)の設計は、後継の機関銃用に開発されたラフェッテ42(42式銃架)でも、ほぼ同じ構造のものとなっている。 ちなみにトリガーには二つの窪みがあり、上半分を引くとセミオート、下半分を引くとフルオートで発射する。 1941年には改良を加え発射速度を増したMG34/41が作られたが、もともと部品の大半が職人的な削り出し加工で作られるためにコストが高く、精密であるため泥や埃に弱かった。その為1942年にはプレス製部品が多用された、より低コストかつ動作信頼性の高い、新設計のMG42が開発され、主力の座を譲る事となる。 第二次世界大戦後に残存していた個体は連合国に接収され、ベトナム戦争ではこの時にソ連に接収された個体の相当量が他のドイツ製火器と共に北ベトナム側に供与されて運用された。
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