モーゼル(マウザー) C96 / Mauser C96 【自動拳銃】 †
1896年にマウザー社から販売された大型の自動拳銃。第二次大戦中、重火器である同社のMG151機関砲が、日本では「マウザー砲」の名で知られた一方で、小銃など小火器の分野では「モーゼル」の呼び方で定着した。またグリップの形状から「ブルームハンドル(箒の柄)」とも呼ばれた。 日本では軍の制式採用こそなかったものの、第一次大戦後の放出品や、中国戦線(満州事変、日中戦争(日華事変))の鹵獲品などが流入していた。総数は不明ながらも、戦力化できるほどのまとまった数が存在していた模様で、1940年(昭和15年)2月には「「モ」式大型拳銃」として準制式化された。弾薬についても7.63mm×25マウザー弾の国内生産が行なわれ、1943年(昭和18年)4月には「「モ」式大型拳銃弾薬実包」として準制式化されている。 派生モデルにはコンパクトモデルや、ハンドガードと固定ストックを備えたカービンモデルなどがあるが、特徴的なモデルとしてセレクティブ・ファイア機能と着脱式マガジン*1を有する「M1932/シュネルフォイヤー(Schnellfeuer;ラピッドファイアの意) M712」と「ライエンフォイヤー(Reihenfeuer;フルオート射撃の意) M713」がある。1932年から1938年までに10万挺近い数が製造され、中国と南米へ輸出されている。また少数が当時のドイツ国防軍に採用され、陸軍のほか武装親衛隊や偵察部隊、海軍歩兵部隊など広範な兵科で装備された。 その特徴的な外観や、フルオートモデルの存在からメディア上でも人気が高く、登場作品は多岐に渡る。プロップガンの改造ベースとされることも多い。
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