シグザウエル P220 / SIG Sauer P220 【自動拳銃】 †
モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
P220 | 198mm | 810g | 9mm×19 | 9+1 | スイス/ドイツ |
---|
9mm×23SR |
P220-1 P220 SAO | 198mm | 862g(弾倉込み) | .45 ACP | 7/8/10 +1 | アメリカ |
---|
P220 コンバット | 180mm | 862g(弾倉込み) | .45 ACP | 8/10+1 |
---|
P220 コンパクト | 180mm | 839g(弾倉込み) | .45 ACP | 6+1 |
---|
P220 クラシック 22 | 196mm | 862g(弾倉込み) | .22 LR | 10+1 |
---|
スイスのシグ社が1975年に開発した、軍・法執行機関向けの自動拳銃。
高性能ではあったがその分非常に高価だったP210に対し、より安価な拳銃を企図して開発された。P210をベースとしてプレス加工などを用いて試作も行われたが、精度が低下する一方でコストを抑えるのには限界が生じたため、全くの新設計となった。
スイス軍での制式名はP75といい、P220はその市販モデルの名称である。製造にあたってはスイス国内の銃器輸出規制を回避するためドイツのJ.P.ザウエル&ゾーン社との提携がなされた。1976年に子会社化されたザウエル&ゾーンはスイス国外での販売と製造を担い、シグザウエルのブランド下でP220を扱っている。
手動のセイフティを持たず*1、デコックのみを行うデコッキングレバーを備え、排莢孔にチャンバー部をかみ合わせてスライドとバレルをロックする独自のロックブリーチ・ショートリコイルを採用している。当時としては画期的なこれらのシステムは、後のさまざまな自動拳銃に影響を与えている。
マイナーチェンジも数度行われており、冷間鍛造プレス成型のスライドは、90年代以降にステンレス削り出しとなり、製法の変化に合わせてデザインも改められた。マガジンキャッチの位置や形状も変化し、マガジンの底部*2から、グリップの左側面に再配置され、親指で簡単に操作できるようになった。
日本では自衛隊の制式拳銃に選ばれている。1982年にM1911の後継として「9mmけん銃」の制式名で採用されて以来、日本の旧ミネベア社でライセンス生産され、半世紀近くを経ても継続して使用されている。
基本的には小銃手は9mmけん銃を装備せず*3、幹部自衛官や重火器使用者、警務官や機甲科車長などの護身装備となっている。また、元となったP220がもともと.45ACP弾モデルも前提とした大きめのグリップサイズであったため、ミネベア社により日本人の手に合わせた専用のグリップ形状に改められている。ただ、それでも現場ではグリッピングについては不評とも云われる。
P226が登場した後、民間用P220は.45ACPモデルを主力製品とし、9mm口径モデルは生産されていない。2018年8月のカタログでは.45ACPと10mmオート弾モデルのみとなっていることから、P22xシリーズの大口径モデルとして販売されているようだ。
アメリカに輸入された当初はブローニングアームズが代理店であったため『BDA(Browning Double Action Automatic)』と銘打たれて販売された(スライド右側面にはSIG Sauer Systemと刻印されている)が、当時プレス製だったスライドの印象が悪く、脆弱で安っぽいイメージからアメリカ市場では成功しなかった。TVドラマ『特捜刑事マイアミヴァイス』の放送前プロモーションや第1話では『主役』だったものの、周知の通りすぐにブレンテンに交代してしまった。
しかし市場は徐々に変化し、その後もM1911系に圧されつつも、新たにシングルアクションオンリーモデルのP220SAOを発表するなど、根強いファン層の存在が窺い知れる。アメリカのIDPAマッチで愛用しているシューターもあり、M1911を破って第1位を獲得したこともある。
現在ではアルミフレームモデルの他、ステンレスモデル、10mmオートモデルもラインナップされ、オプションでピカティニーレール付きのフレーム(上掲画像のモデル)も用意されている。
派生モデル †
前述のP226を始めとして、一部のモデルを除き「P22x」という形で多くの派生モデルが存在する。
モデル名 | 特徴 |
P225 | P220のコンパクトモデル。.45ACPを使用するP245もある。項目参照 |
---|
P226 | ダブルカラムモデル。.45ACPを使用するP227もある。項目参照 |
---|
P228 | P226のコンパクトモデル。項目参照 |
---|
P229 | P228の大口径強化モデル。のちに9mmモデルやサブコンパクトモデルのP224(ダブルカラム)も追加された。項目参照 |
---|
P239 | P229のコンパクトモデル(サブコンパクトモデル)。シングルカラムを採用。項目参照 |
---|
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。