マウザー HSc / Mauser HSc 【自動拳銃】 †
マウザー社がワルサー社のワルサーPP、PPKに対抗して、1940年に開発した小型自動拳銃。HSとはHahn Selbspannungの略で、自動コック式ハンマーの意。すなわちダブルアクションのことである。試作段階でHSa、HSbと銘打たれたことから、最終形となる量産モデルの名が「HSc」となった。
HScのセイフティレバーはPP/PPKと同様、スライドに配されているが、ワルサーのそれと違いデコック機能は無く、レバーを下げるとファイリングピンの位置がずれ、ハンマーダウンしても発火しないという、マニュアル式ファイリングピンセイフティとなっている。また、マガジン未装填時に発火をブロックするマガジンセイフティも備えていた。トリガーガードが描く三角形状は、実はテイクダウンラッチのハウジングだが、これがHScの一目見たら忘れられない独自のスタイルを成している。全体にPP/PPKとの差別化への腐心が見て取れる拳銃である。
懐に隠し持てる、民間あるいは刑事の護身用といった趣の本銃だが、完成が戦時中とあって、大半が軍の将校用、そして警察に納入された。当時、民間市場に流れたHScはわずかだったようだ。ちなみに、HScの.380ACP仕様は多くが戦後のもので、終戦までに使用されたのは、.32ACP仕様が多かった。
バリエーションとして9mmx19弾対応の「HSv」がある。
第2次大戦後のマウザー社は敗戦処理で工場を爆破され、技術者の多くが流出してしまった。再建こそされたものの戦後のマウザーはかつての活力を失い、自社開発・製造による自動拳銃を発表していない。HScは、事実上最後のマウザーオリジナルの自動拳銃といえるだろう。
その後イタリアのレナートガンバ社にライセンスが売却されしばらく生産されたが、1980年代にはドイツのレーム社にライセンスが売却され、各種ブランクやゴム弾を発射する護身・競技銃として再設計されたRG-88やHSc mod.80(T), mod.90(T)として東欧・ロシア圏で販売されている。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
Dr.スランプ | 漫画 | 銀行強盗 | 「アラレ・タッチャブルの巻」 |
アヴァロン | − | − | 項目参照 |
宇宙大怪獣ドゴラ | 映画 | 多田 | 鈍器としても使用 |
宇宙大戦争 | 映画 | アーメット | 未発砲 鈍器として使用 |
科学忍者隊ガッチャマン | アニメ | ベルク・カッツェ | − |
科学忍者隊ガッチャマンF(ファイター) | アニメ | 南部長官 | 『危うし!ガッチャマン基地』の回で使用 |
キルアオ | 漫画 | 鰐淵瑛里 | − |
大脱走 | 映画 | 親衛隊将校 | − |
大冒険 | 映画 | 黒服の男 D.D.R隊員 | 減音器装着 |
電送人間 | − | − | 項目参照 |
バイオハザード RE:2 | − | − | 項目参照 |
バイオハザード RE:4 | − | − | 項目参照 |
秘密探偵JA | 漫画 | 試験係官 | シーアルプス号事件で使用 |
フレンチ・コネクション | − | − | 項目参照 |
吼えろ脱獄囚 | 映画 | 大木竜介 | − |
雇われ探偵 | 小説 | 津島 | − |
傭兵たちの挽歌 | − | − | 項目参照 |
ルパン三世 | − | − | 項目参照 |
ワイルド7 | − | − | 項目参照 |
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。