モシンナガンM1891 / Mosin-Nagant M1891 【小銃】 †
ロシア帝国のセルゲイ・イヴァノヴィッチ・モシン大尉とベルギーのエミール・ナガンが設計したボルトアクション式小銃。なお、ロシアではVintovka Mosina(モシン式小銃)と呼ばれている。
1877年から1878年にかけての露土戦争中、プレヴェン攻囲戦においてトルコ軍が装備していたウィンチェスターライフルに苦しめられた経験から、当時ロシア帝国軍の主力歩兵銃だった単発式のベルダンライフルに代わる連発式のライフルとして開発された。1891年に制式採用されて以来、日露戦争、第一次世界大戦、ロシア革命と、ロシア帝国からソビエト連邦へと移り変わる時代と共にM1891はあった。1930年には近代化を施したM1891/30となって生産が続けられ、第二次世界大戦でもソ連軍の主力火器として大量に生産使用している。
第二次世界大戦後は、突撃銃の普及により主力小銃の座をSKS、AK47に譲ったものの、狙撃銃や二線級火器として、1960年代にドラグノフが登場して以降も維持され続けている。ウクライナでも近代化改修を行っての戦力化が行われ、2022年に勃発したロシアによるウクライナ侵攻でもルガンスク、ドネツクの親ロシア派民兵がモシンナガンを装備している姿が見られた。
かなり余談となるが、NHK制作のドキュメンタリー『映像の世紀』の冒頭にて、ヨシフ・スターリンがM91/30の狙撃型(ボルトが鉤状になっている)を構えている映像があった。
各種バリエーション †
モデル | 解説 |
M1891 | ロシア帝国時代から使われている小銃、20世紀初頭に大量生産され、第二次世界大戦時にもほとんどが現役だった |
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M1891/30 | M1891の近代改修型、M1910を基に機関部の簡略やコストダウンが図られ、照尺の表示もメートル法に改められた |
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M1910 | M1891の騎兵銃モデル、着剣装置廃止 |
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M1938 | M1891/30の騎兵銃モデル、着剣装置廃止 |
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M1944 | M1938に折り畳み式スパイク銃剣を装備した改良型 |
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wz.1891 | マウザーシステムを取り入れたポーランド生産型 |
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wz.1891/30 | wz.1891の近代改修型 |
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M/24 | フィンランド向けに同国で設計されたフィンランド生産改良型 |
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M/28 | M/24の改良型、さらにアップグレードしたM/28-30も存在する、シモ・ヘイヘは本銃の短銃身改造型を使用していた |
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