キャリングハンドル / Carrying handle

 火器を運搬する際の取っ手となる部品。
 主に機関銃突撃銃(自動小銃)、また場合によっては狙撃銃や歩兵用の無反動砲の携行のため装備される。ごく一部だが散弾銃短機関銃などの銃種でもキャリングハンドルを持つものも存在する。
 機関銃など大重量の大型小火器のハンドルは、主に携行の利便性を考慮したものだが、大半が熱伝導性の高い金属で構成される銃火器は、発砲による過熱だけでなく、気温によっても直接触れるのが危険なほど高熱を帯びたり、あるいは冷却されてしまう。しかし、保持をグリップやバットストックのみに頼るのでは、運搬や取り回しに支障がある。そのため比較的軽量な火器でも別途運搬に特化したハンドルを据える場合がある。
 通常、銃の重心に近い機関部に備えられるが、重機関銃軽機関銃の場合、銃身基部に固定する設計もよく見られる。これは銃身を交換する際に、連射によって赤熱化するほど高熱の銃身を、ハンドルによって耐熱手袋なしに機関部から外すためである。

 旧来の歩兵銃は、使用者が触れる箇所の大半を木で覆っていたが、WW2後に普及した突撃銃のような自動式の歩兵銃は、グリップやバットストックを除いて大半の金属パーツが外に暴露する構成となった。そのため、軍用ボルトアクションライフルの時代には見られなかったキャリングハンドルが必要と考えられた。
 軽機関銃同様に普段は折畳んでおけるキャリングハンドル専用に設計されたワイヤータイプのもの(FALガリルARM等)と、レシーバー上部のチャージングハンドルを保護するための構造物をキャリングハンルと兼ねて設計されたものに大別される。後者はスコープ(G36等)やアイアンサイト(AR-10等)とも兼用となっているものも多い。M16/AR-15のキャリングハンドルは、AR-10の設計を踏襲している。
 近年では銃のトップに光学サイトなど各種アクセサリを載せることが主流になったため、これらの邪魔となる歩兵用ライフルのキャリングハンドルは廃れつつある。かつてキャリングハンドルを採用していた銃も、ワイヤータイプであればモデルチェンジの際に単純に取り外され、そうでないものはSA80M4カービンのようフラットレシーバーとなってハンドルが着脱式のオプションとなっていることも多い。G36などはチャージングハンドルがレシーバー上にあるためフラットトップ化はできず、レールが一体成型のキャリングハンドルがオプションとなっている。


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Last-modified: 2023-08-27 (日) 00:43:32 (244d)