IMI ウージー / IMI UZI 【短機関銃】 †
1951年、建国当初のイスラエルが不足気味な自動火器を補うべく開発した汎用短機関銃。
イスラエル軍のウージール・ゲイル中尉が設計、IMI社が生産を行っている。
当時の技術水準と砂漠での運用が考慮され、部品の多くをプレス加工とし、構造がシンプルなオープンボルト&ストレートブローバックで設計された。これによって高い生産性と整備性を確保し、容易に砂抜きも行えるようになっている。
グリップ付け根の左側面には、マニュアルセイフティを兼ねたセレクタースイッチを備え、トリガーのロックとセミ/フルの切り替えを行うことができる。加えて暴発対策としてグリップセイフティを備えることで、グリップを保持しない限りボルトやトリガーがロックされ、セレクターも切り換えることが出来ないようになっている。
グリップ内にマガジンを持ち、L字型ボルトでブリーチ(銃身尾)を包み込むようにして閉鎖するテレスコピック・ボルトを採用している。これらは、チェコのVz23などに見られるコンパクト化に有効なデザインである。コッキングハンドルは上部にあり、発砲時のボルト後退に連動しない独立式となっている。
当初は木製の固定ストックタイプのみだったが、後にオランダ空軍からの要望に応えて金属製の折りたたみストックタイプが登場し、現在ではこちらの方が一般的になった。
他にも短機関銃としては珍しく、着剣とライフルグレネードが使用可能だった。とはいえ、ライフルグレネードは威力の弱い拳銃弾で飛ばすのは射程に無理があり、実用的ではなかったらしい。一方、着剣ラグは後述のタクティカルライト用のマウントとして利用され、後述の小型モデルであるミニウージーとマイクロウージーにも引き継がれた。
黎明期のイスラエルでは取り回しのいい軽量な武器として重用され、いずれもそれほど有効ではなかったものの、射程を伸ばすためのロングバレルや、専用のフォアグリップに電池を入れて拳銃風のトリガーで点灯する初期のタクティカルライトなども用意された。
その後も改良やバリエーションの充実を進め、イスラエルを代表する短機関銃として世界各国に輸出、またはライセンス生産されている。派生型やライセンス、コピー製品を含めればおよそ1000万挺以上が製造されたといわれている。なお、イスラエル本国では2004年1月から支給中止となった。
大口の採用例としてはドイツ連邦軍があり、初期の木製固定ストックモデルがMP2、金属製折畳ストックモデルがMP2A1の制式名が与えられている。
またレーガン大統領暗殺未遂事件でシークレットサービスが装備していたことでも有名だが、スチール製で重く、オープンボルト式ゆえ高い命中精度を確保できないため、法執行機関の短機関銃としてはMP5が普及していった。
これを意識してか、現在のIWIのラインナップではクローズドボルトモデルも登場している。なお、旧来モデルもクロアチアやベルギーの法執行機関で現役である。
他に珍しいモデルとしては、アメリカの民間向けに製造された「ウージーカービン」がある。
このモデルは「ライフル」としてアメリカ国内の規制をクリアするため、フルオート機能を省略し、長いエクステンションバレルを装備している。
通常のウージーと同じ長さの「ダミーバレル」も付属しており、これに交換すれば「格好だけは」短機関銃タイプにして楽しむこともできる。
直系の派生型として、小型化したミニウージーと、更に小型化したマイクロウージーがある。
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外部リンク †
・IMI UZI ムービー