コルト M79 / Colt M79 【擲弾発射器】 †![]()
1960年にアメリカ陸軍に制式採用された中折れ式の擲弾発射器。「サンパー(潰し屋)」、「ブルーパー(暴投)」などの愛称で呼ばれた。 ベトナム戦争における木々が密生したジャングル戦で北ベトナム軍の兵士に散々苦しめられることになったアメリカ軍*1は、この事態を打開するべく、正確な狙撃よりも面制圧を主眼に置いた威力のある手榴弾を多用した。しかし人力による投擲では、その瞬間を狙撃される危険性が大きく、正確な投擲は兵士の技量に大きく依存した。いっぽうM79は最大射程400mと長射程かつ、障害物ごしなら10mの距離*2に撃つこともでき、地面への据付作業が必要な迫撃砲と威力もさほど変わらないなど、使い勝手が良かった。そのため後継のM203が開発される1971年まで約35万挺が生産され、ベトナムを始め各地で使用された。なお、精度は比較的良く、訓練された兵士なら300〜400ヤード先の窓ガラス大の目標にも命中させられたという。 弱点としては、エキストラクターが簡易で中折れ式散弾銃のように空薬莢を宙に放出出来ないため、薬室から0.5インチほど飛び出ているだけの高熱を帯びた薬莢を手で取りだす必要があること。 M203はアドオン式ランチャーとして地位を確固なものとしたが、M79もスタンドアローン式のランチャーとして、開発から半世紀を経た2010年時点でも米軍を始めとして各国で現役である。現代における運用国の一つにはかつてベトナム戦争でアメリカと交戦したベトナムも含まれており、コピー生産も行われている。 ジャングル戦の多かったベトナム戦争で運用されたため、携行しやすいよう銃床や銃身を切り詰められる事も多かったが、銃身を4インチ切り落とした程度であれば、射手が習熟さえすれば射程や精度に問題は生じなかったとされている。
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