FFV AT4 (US M136) 【対戦車擲弾発射器】 †
スウェーデンのFFV社(Förenade Fabriks Verken)が開発した使い捨て式個人携行型の対戦車火器。AT4の名称は、砲口径の84(エイティフォー)mmに因んでいる。 AT4の原理は所謂無反動砲であり、弾丸を射出した際の反動を発射機後方の放出口からガスと爆風を噴出して相殺している。そのため射手自身や周辺の味方が負傷する危険性があり、市街戦などにおける閉所からの射撃は困難であった。この問題を解決した改良型がAT4 CS(Confined Space)で、爆風の代わりに塩水を噴出することで閉所からの射撃が安全に行えるようになっている。ただしCSモデルは従来モデルより1.3kg程度重量が増加している。 CSモデルには更に複数のバリアントが存在し、多用途型のAST(Anti-Structure Tandem)モデルはタンデム弾頭を使用することにより、壁に貫通口を開ける「マウスホール・モード」と、対バンカーなどに使用する「ブラスト・モード」のいずれかに切り替え可能である。後者は、先頭の炸薬で防壁を破壊して、内部に到達したのち2段目の炸薬が爆発するというもの。 AT4はNATO軍が制式採用したほか、アメリカ陸軍でも旧式化・威力不足となりつつあったM72の更新用としてM136の名称で採用され、湾岸戦争などでも使用されている。なお、陸上自衛隊でも採用が検討されたが*1、結局パンツァーファウストIIIに敗れ、不採用となった。
動画 †このページの画像はWikimedia Commonsから転載しています。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。 最新の10件を表示しています。 コメントページを参照
|