サイドアーム / Side arm

 緊急時に即座に使用できるよう、身に付けておく武器全般のこと。腰など体の横側に装着していたことが語源である。
 現代ではナイフや拳銃が用いられるが、こうした隠し持てるようなサイズのものに限らず、槍や火縄銃のような単発銃が歩兵の主力武器であった時代には、腰に差したサーベル、大小刀もこれに相当した。

 軍隊においては一般に、主力歩兵銃と拳銃を同時に装備することはなく、サイドアームとして拳銃を装備するのは機関銃対物火器のような大型火器の取扱者や車両搭乗者などの歩兵銃を装備できない者、あるいは士官ないし下士官以上の階級をもつ部隊指揮官である。例外として特殊部隊や空挺部隊においては、その任務の性質上から、歩兵銃と併せて拳銃を標準的に装備する。また、現代においては市街地での屋内掃討戦のため小銃兵が拳銃をバックアップとして装備するケースも見られる。
 かつては機械的信頼性から、自動拳銃の登場後もしばらくは回転式拳銃が用いられていたが、第2次大戦のころには、装弾数の多さやリロードのし易さのなどの利点から自動拳銃が主力となっていった。
 軍・法執行機関では、決まった拳銃が支給されるのが普通だが、これに満足できない場合は(アメリカのように法規則上問題なければ)個人が自費で別の拳銃を購入する場合もある*1

 警察官などサイドアームがメインの銃となる職業では、バックアップガンと呼ばれることもある予備の拳銃を持つケースもある。携帯性を考慮してメインの拳銃より小型の物、サブコンパクト或いはコンシールドキャリー*2と呼ばれるものがバックアップガンとして選ばれることが多い。
 以前は携帯性や作動の確実性を考えて小口径のリボルバー(S&W M36 チーフスペシャルコルト ディテクティヴスペシャル)などが使用されていたが、1990年代以降に非常に小型なサブコンパクト自動拳銃がシェアを広げて以降、これらの.380ACP弾9mmパラベラム弾モデルが主流となっている。
 携帯方式としてはメインのものと位置を変えたSOBホルスターや、アンクルホルスターなどが多い。


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ↑アメリカンスナイパーとかいう軍人の生の声がわかる有能書籍 -- 2015-12-05 (土) 19:35:13
  • 初歩的な質問ですみませんがサイドアーム≠バックアップガンですよね? それと、フィクションのようにメインのアサルトライフル(ないし、サブマシンガン)+サイドアームの基本武装に加えてバックアップガンを持つことってあり得ますか? -- 2016-03-30 (水) 20:41:48
  • そらサイドアームが動かない時の為のものがバックアップガンだからね。あり得るかどうかと言われてもそりゃあり得ないって事は無いだろ。持つ事自体は可能なんだから。時代にも依るしな。まぁ何にせよそれが警察だろうが正規軍だろうが犯罪者だろうが装備が自由な環境で必要だと思ったら持つだろ。 -- 2016-03-30 (水) 21:11:06
  • NYPDの刑事は拳銃の二丁持ちは基本だとは聞くが 戦場の兵士は流石に拳銃を二丁も携帯したりしないんじゃないかな パットン将軍はS&W M27とSAAのリボルバー二丁携帯してたようだけど -- 2016-03-30 (水) 21:44:22
  • 持ってて損はないが重量と装備スペースの圧迫は辛そう。やっぱ銃の信頼性は大事なんやな -- 2016-03-31 (木) 20:31:19
  • 今時ピストルではなくSMGをサイドアームにするか、持たずにマガジン増やしてるだけじゃない? -- 2016-09-20 (火) 11:33:50
  • smgをサイドアームにするのはともかく、マガジン増やしても意味が無いでしょ。「もし動かなかった場合の予備」なんだから銃本体を増やさないと。最近は流石に二挺差しはなかなか聞かないけど、GIGNなんかは未だにライフルの他に拳銃2挺携行してる隊員も居るね。 -- 2016-09-20 (火) 12:15:05
  • https://hobbyjapan.co.jp/armsweb/report/465.html ここの記事の3人の警官は全員バックアップガンがオートだけど、今はバックアップガンもオートが主流あるいは発展途上って感じなんですかね。出来れば追記したいです。 -- 2020-02-02 (日) 09:44:58
  • その記事をソースにというのは流石に無理がありますが、そこでも触れられていますがリボルバーをバックアップになんてのが主流なのは遅くとも10年以上は前の話ですからまぁコメントアウトでいいでしょうね。 -- 2020-02-02 (日) 12:03:51
  • 小銃小隊の分隊長が野戦においてけん銃を携行することはあり得ますか? -- 2021-03-15 (月) 23:26:15
お名前:


*1 支給されている9mm口径モデルではなく、.45口径モデルの方を選ぶ…など。
*2 もともと「銃を見えないよう携帯する」制度自体の名称であるが、ユーザーの間では広くサブコンパクトクラスの俗称として使用されている。

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2020-02-02 (日) 12:17:44 (1770d)