H&K AG36 【擲弾発射器】 †
モデル | 全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
AG36 | 354mm | 1.5kg | 40mm×46 | 1 | ドイツ |
---|
AG-C/EGLM | 348mm | 1.5kg |
---|
M320/GLM | 284mm (518mm) | 1.27kg |
---|
HK169 | 395mm (663mm) | 2.0kg |
---|
HK269 | 285mm(518mm) | 1.27kg |
---|
H&KがG36用に開発したアドオンタイプのグレネードランチャー。
同社が以前に開発したHK69がハンマー式のシングルアクショントリガーであったため、手動でコッキングする必要があったのと異なり、ダブルアクショントリガーを備えたことで、より短いサイクルでの連続射撃が可能となった。また、擲弾の雷管不発時に再度トリガーを引くだけで再撃発が可能である。
擲弾の装填は砲身をサイドスイングすることで行う仕組みで、既存のアドオンタイプランチャーであるM203が砲身のスライド長を超えるサイズの弾薬は装填できなかったのに比べ、より様々な弾薬が選択可能となった。また、本体を水平に構えたままの装填動作が可能で、不発弾の取り出しも安全に行うことが出来る。
本器後部にはアンビ仕様のセイフティレバーが備えられた。照準用のクアドラントサイトは、ランチャー本体の左右いずれかに固定する。
ライフルへの装着は、ランチャーにボルト固定されたフォアエンドを介して行う。のちに、G36風の着脱式折畳ストックが開発され、スタンドアローンでの使用も可能となった。
ドイツ連邦軍とイギリス軍(L85A2用のL123A3 UGL)で採用されている。
「AG-C/EGLM(Enhanced Grenade Launching Module)」はAG36の発展型で、AR15系ライフル/カービンの銃身下に装着可能なよう再設計されたモデルである。また、専用のスライドストックを取り付けることで、スタンドアローンでも使用可能である。
このモデルはイギリス軍(L119A1(C8SFW)用のL17A1 UGL*1)、オランダ(AG-NL)などで採用されている。エストニア軍ではガリルに装着している。
さらにこのAG-Cの発展型が、アメリカ軍採用の「M320/GLM」である。2004年にアメリカ陸軍が発表したM203の代替計画の要件に基づいた仕様となっており、アンダーバレル・スタンドアローンいずれの状態でも取り回しを良くするため、3インチほど短縮した銃身と、銃身下部にピカティニーレールを介して装着されたMP7風のフォアグリップを備えている。
米陸軍の当初の要求では、「一切の工具や固定具を必要とせず装着可能」であることが望ましいとされたが、これはトライアルに参加した他社でも達成不可能であったため要求からは取り下げられた。最終的に採用されたモデルは「M320(M16用)」と「M320A1(M4用)」の2種類となっており、装着する際はライフル側のハンドガード下面を取り外し、バヨネットラグと銃身長に応じたサイズの専用ブラケットを介して固定する。
HK416/417に装着する場合は、本器上面のスライドストック用の蟻溝に、ライフル側のハンドガード下面のピカティニーレールを通すことで装着が可能で、ライフル側のガスブロック下部とランチャーのブラケットを接続しピンを通して固定する。他のライフルがこの装着方法をとるには「所定の位置に、固定ピン穴とレールハンドガードを持つライフル」である必要がある。
M320は2006年に米陸軍に採用され、順次M203から代替されている。米海兵隊でも2017年から運用を開始した。他にもカナダ、ドイツ、マレーシア、ノルウェー、フィリピンなどで運用されている。
H&K社公式サイトでは製品名を「GLM」としているが、2017年度カタログではバリエーション例としてM16A4用のものを「AG-M16A4」、M4用のものを「AG-M4」、HK416用のものを「AG-HK416」と呼称しており、正確なバリエーション展開は現在のところ不明である。
「HK169」は、G36と同型の折畳式ストックを備えた完全なスタンドアローンのランチャーである。ライフルに装着しないため、AG36やGLMでは側面にオフセットされていた照尺サイトが本体の真上にセットされ、ストックは折畳めるのみで着脱しない設計となっている。同社のHK69A1の後継に当たる。
「HK269」はバレルのサイドスイングを、FN社のEGLM同様、左右へ可能としたモデルである。このモデルは、フランスとリトアニアで採用されている。フランス軍ではHK416F用として。リトアニア軍ではHK416同様のランチャー固定用ホールとレールハンドガードを備えたG36とともに採用されている。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。