H&K MP7 【短機関銃】 †
モデル | 全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
MP7A1 | 415mm(638mm) | 1.90kg | 4.6mm×30 | 20/30/40 | 950発/分 | S/F | ドイツ |
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MP7A2 | 415mm(638mm) | 1.96kg |
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H&K社が2001年から製造している短機関銃/PDW。1989年に発表されたNATOの新自衛火器コンセプト「PDW」に適合する火器として設計が開始された。
1999年に「H&K PDW」として発表されたが、NATOの関心がPDWからカービンへと移行している現状を受け、自社のMP5の後継となる次世代短機関銃「MP7」として新たに発表された。
約10年先んじて発表されたライバルのFN社のP90とは専用弾を使うPDWというジャンルの銃器としてたびたび比較されるが、後発の製品だけあってP90より大幅に小型で操作面でも洗練されている。
撃発はクローズドボルト、作動と閉鎖機構には同社のG36を小型化したようなショートストローク・ピストンとロータリーボルトを採用している。弾薬には同社製G11の弾頭をもとに開発された小口径・高初速のボトルネックカートリッジである4.6mm×30弾を採用し、折り畳み式フォアグリップとスライドストックを備える。
これにより9mmパラベラム弾の短機関銃に比べ、ホルスター携行可能な大型拳銃並のコンパクトさ*1と軽量さにも関わらず、大幅に高い射程・貫通力・命中精度を持つ。
H&K社の説明では、NATO CRISATターゲット(1.6mmチタン板+20層ケブラー)を200mから貫通する性能を持ちながら、フォアグリップとストックを畳めば拳銃としても運用可能な高い汎用性を持つとしている。また、減音器を装備した際の静粛性はMP5SD以上とされている。
バリエーションとして2003年に登場したMP7A1及びその法執行機関向けセミオートモデルMP7-SF、2014年に登場したMP7A2がある。
MP7A1では両面にボルトオンの取り外し式ピカティニーレールが追加された他、ストックやグリップの形状が変更され、グロック風トリガーセイフティが追加されている。
MP7A2ではフォアグリップを廃して、3面にレールを備えたU字型ハンドガードへと変更し、下面にも各種アクセサリーが装着可能となった。
MP7A1・A2は世界各国の軍や法執行機関の特殊部隊で導入されており、米国海軍DEVGRU(旧SEALチーム6)の隊員らが装備していたことも判明している。
本国ドイツでは、ドイツ連邦軍の狙撃手・軽機関銃手のサイドアームとして運用されているほか、SEK*2やGSG9などでも採用された。
また、イギリスのロンドン警視庁とアメリカLAPDのバイクパトロール・警察犬部隊では、一般警察隊員の装備としてMP7-SFが採用されている。
また、P90におけるファイブセブンの様に、MP7と弾薬の共用が可能な「P46」ないし「UCP(Ultimate Combat Pistol)」と呼ばれる同社のP2000風の拳銃プロトタイプが発表されていた。しかし、こちらは拳銃のサイズでは望ましい性能を得ることが出来ないとして、2009年に開発が中止されている。
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外部リンク †
・H&K MP7 PDW ムービー1
・H&K MP7 PDW ムービー2