H&K P2000 【自動拳銃】 †
H&K社が2001年に発表したコンパクトタイプの自動拳銃。
ドイツの警察用ピストル「P10」として採用されたUSP コンパクトだったが、女性など手の小さな警官の間からはグリップが太く握りにくいとの声があがった。そこで、USPで求めた汎用性とは異なり、よりコンパクトさを追求して設計されたのがこのP2000である。
グリップはワルサー P99の機能をそのまま取り入れた、バックストラップ交換タイプ*1となり、各レバー類はスライドリリースレバーに至るまでアンビデザインとなっている。マガジンはUSPコンパクトと互換性がある。
そして、USPコンパクトのバリエーション機能のひとつだった「Combat Defence Action(CDA)」が本銃の主軸の機能となっている。これは基本的にはDAO(ダブルアクションオンリー)ながら、トリガープルをシングルアクション並みの軽さとするシステムである。これにより多少の安全性を犠牲にするが、DAOの利点を活かしながらもガク引きを抑え、即応性と命中精度の向上に繋げることができる、グロックのセイフ・アクションと同様の機構である。ちなみに「CDA」はヨーロッパ市場向けの呼び名で、アメリカ市場では「LEM(Law Enforcement Modification)」とされている。
なお、初期のモデルはフレームのアクセサリーレールが独自規格だったが、のちにピカティニー規格に変更されている。
基本のP2000はCDAとコンベンショナルダブルアクション兼用で、スライド後部のハンマー真横にデコッキングラッチを有するモデルだが、アクションやCDAのトリガープルの違いにより、さらにV1〜5までのバリエーションがある。使用する弾薬にも、オプションとしてより強力な.357SIGバーションも存在する。またランヤードリングを追加した9mmモデルが、日本警察でも導入されているようだ。
現在ではより小型のサブコンパクト(独:Sub Kompakt)モデルとなる「P2000SK」がラインナップに加わっている。マガジンはP2000SK専用のものだが、USAモデルは、P2000/USPコンパクトのマガジンと互換性がある。
2005年には、上位モデルであるP30(発表当初は「P3000」の名称)が登場した。
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