オリンピックアームズ OA-93 / Olympic Arms OA-93 【自動拳銃・自動小銃】 †
モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
OA-93 ピストル | 431.8mm | 2.02kg | 5.56mm×45 | 20/30/40 | S | アメリカ |
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米オリンピックアームズ社が開発した、恐らくほぼ世界初のAR15のピストル製品。
AR15のものより短いボルトを使用する事で、リコイルバッファをストックチューブ内に収めるAR15/M16従来のものから、アッパーレシーバーの上にリコイルシステムを移設する設計に改めたことで、サイズの短縮化を図っている*1。アッパーレシーバー後方のチャージングハンドルを廃止し、サイドにコッキングハンドルを設けている。ハンドルは左右に組替えが可能だ。
銃身長6.5インチという短さでフロントサイトも無いが、銃口部にはファントム・フラッシュハイダー、フリーフローティング・ハンドガード、フラットトップレシーバーにはマウントレールが搭載されている。
OA-93の最初のモデルは1993年に登場した。当時の民間・法執行機関用AR15としてはきわめて小型で、多くの法執行機関やSWATに調達された。しかしその小型さと反動のため、公的機関での実際の使用例は少なかった。それでも当時としてはほぼ唯一の「ARピストル」であったためそこそこセールスを維持していたが、1994年のAWBが発効されたことで、大幅な仕様変更を迫られることになる。
こうして1996年に登場したのがAWB対応モデルの「OA-96」である。このモデルはマガジンを着脱不可とし、装弾数を10発に制限している。弾の装填法は、アッパーレシーバーをテイクダウンさせ、レシーバー内部から直接弾を込める方式に変更された。しかしこの仕様変更は当然不評で、OA-96の売り上げは伸びなかった。
そこで、1998年にはマガジンを交換可能にするため、AWBにおいて拳銃とみなされる「重量が50オンス(1.4kg)以下」の仕様を満たす「OA-98」を発表。フラッシュハイダーやハンドガードの廃止、マガジンウェルやグリップの肉抜き加工や、ウィーバーレールを一部だけにするなど徹底的な部品削減を行うことで軽量化を実現している。
しかしこうした無理な軽量化を行った外見は顧客には非常に奇異に映ったほか、当然ながらこのようなレシーバーが負荷の大きいライフル弾に耐えられるのかという尤もな疑問も大きく、これもセールスは不調であった。
2004年のAWB失効後は従来通りOA-93を販売する事が可能となったものの、既にAR15メーカの多くはこれに備えてARピストルモデルの研究を進めていたため、他のAR15とアッパーレシーバーやその内部パーツの共用性がない本銃は、汎用性の面からそれほど大きなセールスを記録する事はできなかった。しかし同社では現在もOA-93やその関連モデルの製造・販売を継続しており、今でも少なからぬ需要が存在するようである。
なお、いくつの映画で使用されているプロップモデルではフルオート仕様のものがあるが、大半のモデルは前述の小型ボルトをフルオート仕様に改造したものではなく、AR15用の長いフルオート対応ボルトをそのまま組み込んでいるため、ボルトの後退スペースを確保する為に、小型化のために本来備えられていないバッファチューブを付ける必要があるというやや本末転倒な仕様となっている。
余談であるが、本銃の製造元オリンピックアームズは日本ではあまり有名ではないが、米国屈指の近代銃火器メーカの老舗であり創業は1956年に遡る。AR15ピストル以外にも、AR15用アルミ製フリーフローティングハンドガード、AR15用拳銃弾コンバージョンといった現代では一般的となった製品を他社に先駆けて製造している。
モデル | 特徴 |
OA-93 ピストル | 最初期モデル。民間モデル(OA-93OSS)と法執行機関モデル(OA-93)の2種類 |
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OA-96 ピストル | AWB対応モデル。箱型マガジンが取り外し不可(マガジンリリースボタンが無い)、装弾数10発 |
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OA-98 ピストル | AWB対応モデル。着脱式箱型マガジンを使用。マガジンハウジングとグリップを肉抜き加工、フラッシュハイダーと銃身放熱板を廃止(スケルトンハンドガードを新たに装着) |
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OA-93TG ピストル | OA-93にピストルフォアグリップ装着 |
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OA-93TCP | OA-93にスケルトンタイプのフォールディングストック装着 |
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OA-93 カービン | 16インチバレルのカービンモデル。スケルトンタイプのフォールディングストック装着 |
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