タウルス PT92 / Taurus PT92 【自動拳銃】 †
モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
PT92 PT99 | 216mm | 960g | 9mm×19 | 10/15+1 | ブラジル |
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PT100 PT101 | 216mm | 960g | .40 S&W | 10/11+1 |
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PT92C | 203mm | 900g | 9mm×19 | 10/12+1 |
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ブラジルのタウルス社が製造している、ベレッタ 92のライセンス生産モデル。
かつてタウルス社は、ベレッタ社から92Fのマガジン等のOEM生産*1を請け負っていた。契約終了後、ベレッタ社は生産設備をタウルス社に売却。その後タウルス社は、OEM生産で培った技術を元に自社ブランドである「PT92」の製造に着手する。
本家92との外見上の最大の違いは、セイフティレバーをスライド側ではなく、フレーム側に設けている点である。これはベレッタ社から得たライセンスがフレームセイフティを持つ初期型92だったことによる。
本家92はS型以降、スライド上にワルサー P38に類似したデコッキング機能付きのセイフティレバーを設けたが、PT92はその契約に縛られ、スライド後部にセイフティレバーを配置するデザインが採れなかった。しかしその分、ハンマーをコックしたままセイフティをかける「コック&ロック」が可能となっている。現在の本家92はセイフティをかけると自動的にデコッキングされてしまうため、即応性では古いデザインのPT92の方が、かえって有利となっている。
一方で、安全にハンマーを降ろせるデコッキング機能を要望する声にも応えるため、後期型(PT92 AFD)ではセイフティレバーの配置はそのままに、下に下ろすことでデコッキングできる機能を追加している。これにより、レバーを上げればロック、水平にすると解除、下げればデコッキングと、状況や射手の好みに応じた選択が可能となった。また、トリガーガードの形状が、両手で保持した際に添え手の指を掛けやすいスクエアタイプに変更された。
基本型のPT92の他に、アジャスタブル・リアサイト搭載の「PT99」、.40 S&Wモデルの「PT100」(アジャスタブル・リアサイト搭載モデルは「PT101」)、バレル/スライド/グリップを切り詰めたコンパクトモデル「PT92C」、といったバリエーションが存在する。
タウルスUSA製のみ、名称が「モデル 92(Model 92)」となっており、装弾数17発対応の「92B-17」がラインナップに加わっている。
他にも発展型として、ショートモデルの「PT917」、コンパクトモデルの「PT900シリーズ」、.38 Superモデルの「PT38S」などがラインナップに揃っている。PT945やPT38Sはスライドが強化されるとともに、マガジンがシングルカラム化されており、かなり印象が異なっている。
アメリカ市場においても売り上げ的に大成功を収めている(なお、アメリカ民間市場向け輸出モデルの装弾数は10+1発)が、タウルスにまだ「後発のコピーメーカー」のイメージが根強く残っているためか、日本国内では本家ベレッタより「格下」に扱われることが多いようだ。
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