コマンドー / Commando †
1985年、アメリカ映画
監督:マーク・L・レスター
コマンドー(原題:Commando) †
・ストーリー
元コマンドー部隊隊長であったジョン・メイトリクス大佐(アーノルド・シュワルツェネッガー)は一人娘のジェニー(アリッサ・ミラノ)と山荘で隠居生活をしていた。
しかしある日、謎の武装集団がかつての部下たちを次々と殺害。自身も襲撃を受け、抵抗むなしく娘もろとも拉致されてしまう。首謀者はバルベルデという国の元独裁者アリアス(ダン・ヘダヤ)であり、手下の中にはかつてメイトリクスの部下だったベネット大尉(ヴァーノン・ウェルズ)もいた。彼らは娘を人質にかつてアリアスが治めていた国の現大統領の暗殺を強要。バルベルデ行きの飛行機にメイトリクスは乗り込むこととなるが隙を突いて飛行機から脱出することに成功する。偶然知り合ったシンディー(レイ・ドーン・チョン)という女性の協力を得ながらメイトリクスは娘を取り戻すべく、奮闘する―――。
・作品解説
主演のアーノルド・シュワルツェネッガーの強靭さを大いにアピールした作品であり、特に終盤、大量の銃器を装備して敵アジトに乗り込むシーンは圧巻である。
ちなみにこの作品は、シルベスター・スタローン主演映画『ランボー』に対抗して製作された作品である。主人公が元特殊部隊でマッチョだったり、重い銃火器を軽々と扱ったり、一人で敵を全部倒したりと、何かと共通点が多いのも特徴だ。ただ、≪悪役=ソ連、共産主義者≫という安直な作りが氾濫していた中、悪役のキャラ立てや脚本のうまさもなかなか光る一作である。
なお、敵役ベネットを演ずるは、『マッドマックス2』でモヒカン刈りと殺人頭突きのウェズ役で強烈な印象を残したヴァーノン・ウェルズ。本作でも天下のシュワルツェネッガー相手に、一歩も引かぬ激闘を見せてくれた(残念ながら、銃撃戦はほとんどなしだが)。
なお、本作に登場する「バル・ベルデ」*1は、脚本のスティーヴン・E・デ・スーザが自身の作品(ダイ・ハード2等)でたびたび登場させている架空国である。名前のいかつさのためか一部でカルト的な人気があり、彼の脚本作品以外でも映画・アニメ作品でしばしば使用されている。
コマンドーR (英題:D-Day 露題:Den'D/День Д) †
2008年 ロシア映画
監督・主演 ミハイル・ポレチェンコフ
・ストーリー
元ロシア軍特殊部隊のイワン(ミハイル・ポレチェンコフ)は軍を退役し、一人娘のジェーニャ(バーバラ・ポレチェンコヴァ)と平和に暮らしていた。そんなある日、彼は失脚したエストニアの政治家(ヴィクトール・ヴェルズビツキー)率いるテロリスト集団に娘もろとも拉致され、娘の命と引き換えに隣国の大統領を暗殺するよう強要される。
イワンは乗せられた飛行機から脱出し、偶然知り合った客室乗務員のアリア(アレクサンドラ・ウルスリャック)の協力を得て、テロリスト集団に戦いを挑む。
・作品解説
2008年に製作されたロシアによるリメイク作品。基本的なストーリーはオリジナルを踏襲している。また、作中ではテロリストに日本人が協力したり、テロリストが移動に使う車には日本企業(実在する)の名前が書かれていたり、イワンがテロリストと戦うための武器をマフィアが日本向けに密輸する品から調達したり、唐突に北野武の名前やプレイステーションポータブルが出てくるなど、随所で日本が関わってくる。
ちなみに題名の「D-Day」とは、戦略上重要な攻撃もしくは作戦開始日時を表す際に用いられたアメリカの軍事用語である。第二次世界大戦の連合軍によるノルマンディー上陸作戦が特に有名。