.45ACP弾 † 1905年に銃器設計家のジョン・ブローニングが設計した、大口径の自動拳銃用実包。ACPとは「Automatic Colt Pistol」の略。英語では口径から「ポイント・フォーティ・ファイブ(point forty-five)」などと称される。 このような歴史的経緯もあって、以降もアメリカはストッピングパワーの高い.45ACPに対して盲目的とも云える信仰を持ち続けており、アメリカ国内では現在も根強い支持を保っている。近年では、AWBや各州法などでマガジンの装弾数が制限された関係で、「同じ弾数ならより大きな威力の弾薬を」と、.45ACPが再評価されることにもなった。 その一方、開発当初は意識されていなかったが、弾頭重量が大きい一方で、弾速が音速を超えないことからサプレッサーとの相性が良いという長所がある。主流の自動拳銃弾である9mmパラベラム弾などでは、そのままでは弾頭が超音速で飛翔することにより衝撃波を発生してしまうため、高い減音効果を得るためには減装弾とするかガスベントを設けた減速用銃身を使用するといった工夫が必要であり、通常より運動エネルギーが低下してしまう。しかし、最初から亜音速の.45ACPでは、この懸念が無くそのまま使用できる。このため、特殊作戦用としてスターリング デリーズルカービンなど.45ACPを使用する消音銃を限定的に採用する例も見られる。 .45ACPを現在主流の9mmパラベラム弾や.40S&Wと比べた場合、反動が大きくコントロールが難しい、サイズが大きいため装弾数が低下する、複列弾倉化が難しいなど、難点も少なくない。しかし後発の10mmオート弾、.357SIGなどといった高エネルギー弾の登場に存在を脅かされつつも、.45ACP自身も技術の改良によって同様に性能を上げつづけている。そのため長年の実績と、数多くのメーカーから多彩なカスタムパーツや実包が供給されている.45ACPの牙城を崩すには至っていない。 なお、恐らく世界で唯一軍用の「散弾」弾種が存在する自動拳銃弾である。米軍に1943年に採用されたT-23/M12・M15弾がそれで、100発前後のバードショット散弾を含有していた。これはパイロットが不時着時に小動物を食料として調達するために採用され、主に空軍にのみ配備されていた。
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