新世紀エヴァンゲリオン †
原作:GAINAX、監督:庵野秀明によるメディアミックス作品。
巨大な人型兵器に乗って、使徒と呼ばれる存在と戦う少年少女たち……。従来のロボット物のフォーマットに沿いつつも、庵野監督が得意とする実写作品のパロディ・オマージュや、神話や精神学要素に着想を得た複雑な設定をふんだんに取り入れた結果、既存のアニメ作品と一線を画した作品となった。深夜帯の再放送が人気を博したことから、2000年代以降の深夜アニメ隆盛の先鞭を告げた作品とも呼ばれる。
制作環境のごたごたによって、テレビ版最終回と劇場版では円満な完結に至らなかったものの、それが逆に様々な考察・二次創作を育むきっかけとなり、社会現象にまで発展。テレビ東京系でのTV放映から12年後には新たなる劇場版四部作企画がスタートし、足かけ14年を経て完結。現在でも幅広い世代の支持を集めている、アニメ史に残る作品である。
エヴァンゲリオンの兵装 †
TVアニメ版 †
新世紀エヴァンゲリオン †
1995〜1996年
監督:庵野秀明、アニメーション制作:GAINAX
・ストーリー
1999年に発生した「セカンドインパクト」と呼ばれる地球規模の災害により、人口が激減した世界。
時に、西暦2015年。≪使徒≫と呼ばれる謎の生物が出現し、国連直属の特務機関NERV(ネルフ)がその対応に当たる。使徒に対抗し得る手段として開発された汎用人型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオン、そのパイロットの一人として選ばれたのが、碇シンジという14歳の少年だった。NERV総司令を務める父ゲンドウに呼びだされたシンジは、NERV本部のある第3新東京市を訪れるも、折り悪く使徒が同地へ襲来する。
迎えに来たNERV所属の葛城ミサトに助けられ、NERV本部にたどり着いたシンジであったが「エヴァに乗って使徒と戦え」というゲンドウの真意を知り、これを拒否する。だが、代わりのパイロットとして運ばれてきた見知らぬ少女は、全身包帯という満身創痍の状態であった。なけなしの勇気を奮い立たせ、シンジはエヴァに乗ることを決意する―――
映画版 †
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に †
1997年
総監督:庵野秀明、アニメーション制作:GAINAX、Production I.G
・作品解説
劇場版の第2弾作品。それまでの展開から一転して、碇シンジの精神世界を舞台にした抽象的な話を展開し、物語としての完結を半ば放棄したことで物議をかもしたTVシリーズの第25話と最終話のリメイクとして、完全新作映像で制作された。
当初は第1弾作品『シト新生』で完結する予定だったものの、既に制作状況が破綻寸前だったため、『シト新生』は「TVシリーズの再編集版+リメイク版第25話の前編」という形で公開された。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版 †
2007年〜
総監督:庵野秀明、アニメーション制作:スタジオカラー
・作品解説
2006年10月の雑誌『ニュータイプ』誌上で、『エヴァンゲリオン新劇場版 REBUILD OF EVANGELION(仮題)』として製作が発表された旧シリーズの再構築作品。制作は庵野監督の個人スタジオ「カラー」が行っている。
全4部構成で、2007年に一作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、2009年に二作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、2012年に三作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』、2021年に完結作『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が公開された。『Q』製作中に庵野監督が重度のうつ病を発症し、療養を兼ねて他作品への関与を優先したため、『シン』公開までは長い間隔が空いている。
前回のTVシリーズ及び劇場版を「旧世紀版」と呼称したいという庵野監督の意向により製作され、アニメにて放映されたものと同じシーンも全て再撮影を行った新規映像となっている。NERVやSEELEのシンボルや一部のキャラクターの立ち位置・役職も変更され、前作では明かされなかった「新たな真実」が描かれた他、『Q』からは完全に新たなストーリーが展開されることになった。
漫画版 †
新世紀エヴァンゲリオン †
1994年〜、月刊少年エース、月刊ヤングエース掲載
原作:カラー・GAINAX、作画:貞本 義行
・作品解説
全シリーズ通してのキャラクターデザイナーである貞本 義行自身によるコミック版。TVシリーズ及び旧劇場版とは展開がやや異なる。2009年に掲載誌を月刊少年エースから月刊ヤングエースに移し、2013年に連載完結。