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西ドイツが長らく配備していたH&K社製自動小銃。 1950年代、敗戦後東西に分割統治されたことで誕生したドイツ連邦共和国、いわゆる西ドイツは、再軍備を急務としていた。戦後、軍と国内の軍需産業が解体され、分割統治によって共産圏と隣接することを余儀なくされた一方、すでにソ連ではAK47を実用化して、装備の近代化を図っていたのである。この矢面に立つ西ドイツ国境警備隊が最初に目を付けたのは、戦後スペインのCETMEに身を寄せていたモーゼルの技術者陣が設計したセトメライフルであった。国境警備隊の要請により、国内のH&Kとの共同開発でセトメライフルはNATO標準の7.62mm×51弾仕様に改められ、制式化に向けて開発が進んでいた。 G3はローラーロッキング機構によるディレイドブローバック方式を採用している。どちらかといえば複雑な機構であったが、反動の抑制に優れていたため、セレクティブファイアのG3はセミ/フルいずれの射撃でも比較的扱いやすく、高い命中精度を示した。一方、ボルトを前進させるスプリングが強力なため、初弾の装填・コッキングがしづらいという欠点もあった。 H&K社は軍用小火器の市場に一大シェアを築くことを図って、このG3をベースに様々な口径・種類の小火器を開発した。主なものでは、狙撃銃モデルのSG/1やPSG1・MSG90、短機関銃のMP5、5.56mm口径の突撃銃HK33、軽機関銃のHK11、HK21などが作られ、そこからまた更なる発展型が作られた。はては当時冷戦下の仮想敵であった東側の7.62mm×39弾モデルのHK32までそのラインナップに連ねる予定であった。全軍の歩兵用小火器全般を同一の操作のもので統一すれば(つまりH&KのG3ファミリーで統一してしまえば)訓練期間の短縮とコストの削減が実現できる……という理屈だ。設計の共通化による小火器開発のコスト抑制というH&K側のメリットは大きかったものの、現実には、小火器類のG3系統一という絵図を受け入れた軍組織は現れなかった。多くの発展途上国で採用され商業的には非常に堅調だったものの、NATOに加盟する先進各国では既に制式小銃の国産化の風潮が高まっており、北欧を除けばあまり採用されなかった。 後継となる筈だったG11の開発頓挫などもあって、ドイツ軍では東西統一後も、同社製G36の登場まで主力ライフルとして使い続けられた。現在もH&K社の商品カタログにこそ掲載されていないが、DMRとして一部が現役である。 メディアにおいては、G3自身もさることながら短機関銃モデルのMP5や狙撃銃モデルPSG-1なども多く活躍し、「特殊部隊やスナイパーが用いる高性能な銃」というイメージをより強固なものにしていった。 なお、日本のトイガンメーカー・東京マルイから発売されている電動ガン「G3/SAS」は、G3のコンパクトモデルをイメージした架空の銃である。 (主なバリエーションモデルは、『G3バリエーション』の項参照)
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