セトメ モデロA / CETME Modelo A 【自動小銃(突撃銃)】 †
1957年にスペインのセトメが開発した試作型自動小銃。
“セトメライフル”とも呼ばれる、ドイツのH&K社のG3シリーズの原型としても知られる第一世代突撃銃である。
セトメ(CETME = [西]Centro de Estudios Técnicos de Materiales Especiales [英]Special Materials Technical Studies Center)は、1949年にスペイン政府が設立した、軍向けの小火器の研究・開発を目的とする機関である。
第二次世界大戦後、ドイツのマウザー社の技術者たちはスペインに渡り、セトメで働くようになる。その一人であるルドウィック・フォルグリムラー*1が設計した、ローラー・ディレードブローバック機構を持つ試作突撃銃「StG45(M)」の技術を応用するかたちで、セトメライフルの開発は始まった。
開発途上では、StG45(M)用の7.92mm×33 Kurzや7.92mm×40 CETMEといった弾薬が選定されていたが、その後の要求仕様の変遷により7.62mm×51 CETMEが使用弾薬に決まった。
この弾薬は7.62mm×51 NATOに似ているが、フルオート射撃時のリコイル軽減のため、軽量弾頭・減装弾仕様となっている。
本格的な生産モデル「モデロB」では、H&K社からのフィードバックによって7.62mm×51 NATOにも耐えうるよう改修された。モデロBは1958年にスペイン軍に「モデロ58」の制式名で採用された。
その後さらに軽量化などの改良が加えられた「モデロC」となり、スペイン軍に改めて採用され、既存の「B」仕様のモデロ58も「C」仕様に改装されたようだ。
1976年に製造は終了し、その後の研究・開発は小口径化を目指したモデロLに引き継がれる。
外観 | モデル | 登場年 | 特徴 |
− | モデロA1 | 1957年 | 試作型。使用弾薬は7.62mm×51 CETME。ハンドガードが無い。バイポッド装着。リーフタイプのリアサイト |
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| モデロA2 | 1957年 | 弾倉挿入口の形状を変更 |
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| モデロB | 1958年 | 使用弾薬を7.62mm×51 NATOも共用可能に。スチール製ハンドガードを追加 |
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− | モデロ58 | 1958年 | スペイン軍採用モデル |
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| モデロC | 1964年 | 木製ハンドガード。バイポッドが取り外された。グリップの形状を変更。リアサイトは4段階調節のディオプタータイプ。 右側面にあった切替えセレクターを左側面に変更。NATO規格のライフルグレネードが装着可能。スペイン陸軍/海軍/空軍が採用 |
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− | モデロE | ?年 | ハンドガードの形状を変更。フリップアップ式リアサイト |
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