ゼネラル・エレクトリック M134 “ミニガン” / General Electric M134 "Mini-Gun" 【重機関銃】 †
モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 銃身 | 発射形式 | 製造国 |
M134(GAU-2B/A・Mk.25 Mod 0) | 900mm | 18.0kg | 7.62mm×51 | ベルトリンク | 6000発/分 | 6 | F | アメリカ |
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GAU-17/A | 900mm | 18.0kg | 7.62mm×51 | リンクレス給弾 | 2000発/分 4000発/分 |
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XM214”マイクロガン” | 1041mm | 12.25kg | 5.56mm×45 | ベルトリンク | 400〜10000発/分 |
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ゼネラル・エレクトリック社がヘリコプターや固定翼機の搭載機銃として開発したM61を、1960年代に小型簡略軽量化したガトリング銃。元となったM61の小型版であることから『ミニガン』と呼ばれる。
M134はアメリカ陸軍での呼称で、空軍ではGAU-2B/A(リンクレス給弾の派生型はGAU-17/A)、海軍ではMk.25 Mod 0と呼ばれ、主にヘリコプターの搭載機銃として使用されている。
24Vないし28Vの電源によって駆動し、6連の束ねられた銃身は回転する間、交互に装填・発射・排莢を繰り返すことで、実に最大100発/秒と云う発射速度を誇る。このことから、実戦投入されたベトナム戦争では「撃たれたと気付く前に死んでしまうほどの火力」という発想で『無痛ガン(Painless Gun)』と呼ばれたという。
また、給弾方式は前述のGAU-17/Aを除いて、原型のM61とは異なりベルトリンク給弾に変更されている。*1
ベトナム戦争において、小型の高速ヘリが着陸時にジャングルから待ち伏せを受け墜落するという事例に多く直面したアメリカ空軍が、ジャングルを薙ぎ払うため小型ヘリでも反動に耐えられ、弾薬を十分搭載できるような歩兵用弾薬を用いる高火力機関銃の開発を依頼。こうして7.62mmの「ミニガン」と、5.56mmの「マイクロガン」が提出され、双方が実戦投入された。
マイクロガンは重量・反動ともにミニガンよりは低く、小型のヘリにも搭載可能という利点があったものの、貫通力や射程の点で大きく劣るため、最終的に7.62mmのミニガンだけが運用が続けられた。マイクロガンを短銃身化し、歩兵2名で運用する重機関銃として再設計された「Six-pak*2」なるモデルも提案されたが、歩兵用としては重量の割に既存の機関銃の有効性を上回るような性能を発揮できず、これも採用されることはなかった。
メディアにおいては、1987年の映画「プレデター」で登場した個人携行可能なよう改造されたステージガン「Ol' Painless*3(日本語版では「チェーンガン」)」の登場以来非常な人気を持っており、他メディア作品においても数え切れないほど個人携行モデルが登場し、21世紀現在も一種の定番となっている。
しかし現実においては、弾薬や電源・モーターも含めて数十kgの相当な重量になる上、小型ヘリでは操縦に支障をきたすほどの反動を有するため、(それこそフィクションに出てくるような凄まじい怪力の持ち主でもない限り)運用は不可能であると言ってよい。映画撮影においては電源や弾薬はカメラの範囲外から供給するなどの工夫を行って重量を軽減し、反動も空包を使用するため手持ちで発砲可能なレベルとなっている。前述の「プレデター」において使用されたモデルでは更に連射速度を大幅に落とし、毎分1250発としていたが、それでも振動は凄まじく、俳優は撮影後しばらく手が震えるほどであったという。
2000年代になるとニューメキシコ州のDeGroat Tactical社などから個人携行モデルが民間製品としても供給されるようになったが、やはり反動は凄まじく実際には空包で雰囲気を楽しむユーザーがほとんどである。
なお、よくある誤解だが、すべての銃身から一度に発砲する訳ではなく、高速射撃で銃身が焼け付かないように、回転する銃身が機関部の前に到達するたびに1発撃つ構造となっている。本来のM134(正面から見てモーターが右上、給弾部が右下)の場合、発砲されるのは正面から見て左90度の銃身である。
前述の「プレデター」を始めとしたステージガンの場合、携行が容易なよう本体を90度軸回転して給弾位置を右か左に変更している事が多く、その場合はそれぞれ真上か真下の銃身から発砲となる(プレデターモデルは真上の銃身からの発砲)。
ちなみに、日本ではトイテックとCAWから電動エアソフトガンとして発売されている。