トリプルX / xXx †
一言で言えば、ズバリ「ワルな007」。
実は当初、ソニーと『007/ネバーセイ・ネバーアゲイン』のプロデューサーが組んで新たな007シリーズの映画化を目論んでいたのだが、これに(当然ながら)本家イオン プロダクションが猛反発。結局、『新007シリーズ』は断念せざるを得なかったが、この『トリプルX』こそが、その《代打》なのだともいわれている。
後述の特殊銃をはじめとする数々の秘密兵器と、それを満載した「ボンドカー」的スーパーマシン、と正に007シリーズを大いに意識した構成。しかし、本家英国紳士なら絶対使わないような大口径銃やマッチョカーが暴れ回る痛快な内容は、元祖とはひと味違う、これまた美味しい一大スパイアクションである。
ところで、『007/私を愛したスパイ』にも、同じく『トリプルX』というソ連のスパイが登場(しかも、007のライバル的存在)するのだが、単なる偶然か、はたまた本作の何らかのヒントになったのかは不明である。
2017年にはヴィン・ディーゼルが再びトリプルXを演じる、映画第3弾『トリプルX:再起動』が制作、公開された。
トリプルX (原題:xXx) †
2002年、アメリカ映画
監督:ロブ・コーエン
・ストーリー
チェコで活動を行っている元ソ連軍軍人で構成される犯罪者集団、《アナーキー99》の潜入捜査に幾度となく失敗を喫してきたアメリカ、NSAは上級スタッフであるギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)の提案で使いやすい民間人の工作員を送り込むことを決める。
選ばれたのはバイクやスノーボードなどエクストリームスポーツに長け、犯罪まがいのXゲームというスポーツを行うことで有名なザンダー・ケイジ(ヴィン・ヴィーゼル)。
ケイジはギボンズ達に過去の犯罪記録の抹消と引き換えに協力を強要され、スパイ「トリプルX」としてチェコに飛び、現地警察やNSA秘密兵器開発部のシェーバーズなどの協力を得ながら《アナーキー99》に接触するが――。
・作品解説
ちなみにザンダーが使うリボルバーの名称は、「マルチパーパス マルチファンクション フィールドリボルバー」。
この銃はNSAから支給される、"トリプルX"エージェント専用銃である。麻酔弾やダミー弾(フェイク用の血糊弾)も使用可能。カスタムバレルにフラッシュサプレッサーを装着し、レーザーサイト内蔵のコンバットグリップやノンフルートシリンダー、C-MORE社のダットサイト装着等の改造が施されている。
小火器以外では、地味すぎて(?)滅多にスクリーンに登場しない、スホーイSu22”フィッター”戦闘爆撃機(Su-17の改良型、Su-22M4チェコ空軍所属機)も一つの見どころ…かも。
トリプルX/ネクストレベル (原題:xXx -The Next Level-) †
2005年、アメリカ映画
監督、リー・タマホリ
・ストーリー
NSAの上級スタッフであるギボンズが担当していたNSA支部が突如、謎の武装集団に襲撃され、職員の殆どが死亡。
辛くも逃げ延びたギボンズと秘密兵器開発部のシェーバーズは新たな「トリプルX」として、服役中だったかつてギボンズが所属していたNEVY SEALSでの部下、ダリアス・ストーン(アイス・キューブ)を選び、脱獄させて仲間に加える。謎の襲撃犯の足取りを追う役目を受け持ったダリアスは、関係者にかつての上官であり、上院議員であるデッカート(ウィレム・デフォー)が関わっており、合衆国のクーデターを企んでいることを知る・・・・・・。
・作品解説
原題・邦題ともに「ネクストレベル(The Next Level)」とあるが、当初はヴィン・ディーゼル主演で「State of the Union」というサブタイトルがつけられていた。しかし、諸事情でヴィンが降板し、アイス・キューブに配役が決まったので現在のタイトルに変更されている。*1
大量のXM8が実写で登場する貴重な作品かと思われるが、実際はXM8風に改造したG36Cのプロップガンが使用されている。実銃のXM8はアッパー/ロワーレシーバーの境目が上下2つにはっきりと分かれているが、劇中モデルはG36のレシーバーそのものである。また、XM8のバットストックは伸縮タイプのみで横に折り畳むことはできないが、劇中モデルはストック基部にG36タイプのヒンジが存在している。
決定的なのは、国会議事堂のシーンで床に落ちているXM8。実はレシーバーに"G36C"の刻印が打ってあるのが確認できる。
トリプルX:再起動 (原題:xXx: Return of Xander Cage) †
2017年、アメリカ映画
監督、D・J・カルーソー
・ストーリー