ゼネラル・エレクトリック M61 “バルカン” / General Electric M61 Vulcan 【機関砲】 †
ゼネラル・エレクトリック社が開発した回転式6砲身機関砲。制式名称は"M61"で、バルカンとは開発計画名である『プロジェクト・バルカン』に由来する愛称である。 束ねられた6本の砲身を電気ないし油圧モーター等の動力によって回転させ、各々の薬室に弾薬を順次送り込み電気的に雷管へ点火する。これにより個々の銃身は発射時の負担を少なくさせながらも、最大秒間100発というケタ違いの発射レートを誇る。M61はリンク式の給弾だったが、あまりにも高速な給弾のためにリンクの破損が相次いだため、M61A1ではコンベアを利用したリンクレスフィードとなった。発砲後の薬莢(もしくは未発火弾)は、機外に排出するシングルエンド、または弾薬ドラムに返すダブルエンドのいずれかが選択できる。 M61の元となったのは1862年にアメリカの医師リチャード・ガトリングにより発明された「ガトリングガン」である。これはクランクを手動で回すことによって連発するもので、発射速度は毎分100〜200発程度であったが、現代のような機関銃の無かった当時としては画期的な武器であった。その後、機関銃の登場により使用されなくなったガトリングガンを、航空機等の高速で運動する物体に命中させるために外部動力を用いるように改良したのが、M61のような「現代のガトリングガン」である。 その中で地上で使用する防空用機関砲として開発された派生型としてVADS(Vulcan Air Defense System)がある。これはM61を発射速度を3000〜1000発/分まで落としたもので、各種車両で牽引するタイプと装甲車に搭載されたタイプがある。現行型は、レーダーや赤外線カメラ、射撃管制コンピュータと組み合わせた対空システムとなっており、適切なリード射撃(移動する標的までの距離を計算して未来位置に射撃し、命中させる射撃方法)が可能となっている。
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