騎兵銃(カービン) / Carbine

 元々は16世紀ごろに誕生した、騎兵が馬上で扱う事を考慮して、より短い銃身を用いて取り回しを良くした小銃を意味する言葉である。
 元来はフランス語だが世界各地で広く使われたため、現在では「ライフル」(こちらはドイツ語)同様、その他の言語でも「カービン」として定着している。「騎兵銃」または「騎銃」という呼び名は、その用途に由来した日本語訳である。
 騎兵が廃れた現代でも「銃身を短くした小銃」という意味で使われている。長銃身化・ストックを装着した拳銃や、セミオート化して銃身を延長した短機関銃の事を指すことも多い。

 小型で持ち運びやすく取り回しも良いが、21世紀になるまで大半のライフル弾は長銃身に最適化されたものであったため、短い銃身では反動・マズルブラスト・発射音の増加、命中精度や耐久性の低下といった問題が起きる事が多かった。上記の様に本来は騎兵用の銃であるが、実際は歩哨や前哨地での使用が多かった。
 現代では特に、密林、市街地、車内といった狭い場所での取り回しや携行性のよさから、空挺部隊や特殊部隊等でよく用いられる他、砲兵や戦車兵の自衛火器としても用いられる。主な物としてアメリカ製のM4、ロシア製のAKS74Uなどが挙げられる。
 他の多くの工業製品同様、小銃も弾薬性能や鍛造技術の向上によって短銃身でもフルサイズの小銃と同等の性能を発揮できるようになり、従来はフルサイズ/カービンを使い分けしていた部隊においても、一律でカービンを標準装備化する動きが進んでいる。2015年以降における、アメリカ軍全体のM4カービン制式採用はその最もたる事例と言える。

 なお、日本のメディア上ではしばしばアサルトライフルの小型のものを「アサルトカービン」や「マシンカービン」といった名称で呼ぶことがあるが、いずれも誤りである。
 前者は一部のビデオゲームなどで使われている造語で、後者はイギリスの軍関係において短機関銃を指す言葉として用いられていたものである。

 余談になるが、ホイールロックフリントロックが主力だった単発銃の時代、走る馬上での再装填は至難の業だったため、騎兵は通常、発砲した後は手から離してフックで腰や馬に吊り下げ、サイドアームのサーベル等で格闘戦に持ち込んでいた(戦場への移動に馬を使い、戦闘時には馬から降りて発砲する竜騎兵という兵種も存在した)。
 この銃を保持する用途で開発されたのがドイツ製の「Karabinerhaken(カービン使用者用フック)」、即ち日本語で言うところの「カラビナ」である。イタリア国家憲兵隊『カラビニエリ』の名の由来も同様で、創設当初、隊員の装備がカービンであることが多かったことからそう呼ばれるようになった。
 また、日本でも戦国時代末期に「馬上筒」という小型のカービン式(?)火縄銃が作られたことがあった。


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 『カービン』の名前の由来を追記。 -- KH? 2009-05-01 (金) 15:36:08
お名前:


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2020-04-04 (土) 10:35:53 (178d)