S&W M76 【短機関銃】 †
全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
512(772)mm | 3,700g | 9mm×19 | 14/26/36 | 720発/分 | S/F | アメリカ |
珍しくS&Wが手がけた短機関銃。開発は1966年に着手され、翌年製品化された。
当時、アメリカ海軍特殊部隊SEALはスウェーデン製のカールグスタフ M/45を使用していた。しかし、徐々にエスカレートするベトナム戦争に批判的なスウェーデンは、中立を維持する意味もあり、アメリカ向けの兵器供給を拒否するようになる。これによってアメリカ海軍は、自国内から新たな機材を調達する必要に迫られていた。
この状況を知って当時のS&W社が作ったのが、カールグスタフm/45のクローンである本銃だった。外観の構成はもちろん、シンプルブローバックで作動し、オープンボルトで発火する構造もオリジナルのm/45と同様である。ただし全くのコピーではなく、フルオートオンリーだったm/45と異なり、セイフティを兼ねたアンビのセレクターを備え、セミ/フル切り替えを可能としていた。
しかし、M76が完成した67年には既に状況は変化しており、米海軍SEALは、本銃を必要とはしなくなっていた。米海軍には僅かな数が納入されたのみで、生産されたM76の大半は、民間及び警察関連に販売・納入がなされた。それも1974年には生産終了となり、S&W社は以後、短機関銃の開発からは手を引いている。
なお、S&W社のコピーを生産しているMKアームズで、1983年からMK760の名で生産されていたことがあり、S&W社が手を引いた後はMKアームズからパーツの供給が行われていた。しかしMK760も、1986年に施行された銃規制法により、民間所有可能なオートマチック火器を新たに製造することができなくなってしまったことから、生産中止となっている。MKアームズは、セミオートオンリーのモデルも製造していたが、以後MK760シリーズの製造販売から手を引いている。