56式冲鋒槍 【突撃銃】 †
中国の国営626廠(慶華工具廠)*1などで製造されているAK47のライセンス生産モデル。後に中国とソ連との関係が悪化してライセンスが失効してからも製造が継続されている。そのためソ連から十分な技術指導が得られず、AKMのようなプレスレシーバーへの移行など多くの部分の改修が中国独自にすすめられた。 折り畳み式のスパイク型銃剣を標準装備している(1965年以前の初期生産型、全ての折畳銃床型、一部の輸出型は無し)のと、フロントサイト上部がリング状のガードで覆われている点がオリジナルと異なる。銃剣をスパイク型としたのは中印国境紛争での戦訓から分厚い防寒具でも貫通しやすくするためで、リングガードはAK47のサイトガード形状だと夜間戦闘でフロントサイトと紛らわしかったためである。また、マズルデバイスを取付するための銃口部のネジ切りが廃止されている点を特徴として紹介される事が多いが、実際には輸出用に製造された一部の56式冲鋒槍やフラッシュハイダーを標準装備としているQBZ-56Cではネジ切りが行われており、ケニア軍などでは56式冲鋒槍で空包を用いた訓練をする際にはブランクアダプターを銃口ネジに装着している。 近年はロシア側のライセンス管理が厳しくなったことで違法コピーが問題視されたが、中国側は独自の設計だとして押し通している。実際上記のように相違点は多いが、意図的に設計を改変している可能性もある*2。 品質に関しては高低両方の意見が述べられている。その一説としては、中国軍やアメリカ向けに生産されていた時代はきちんとした品質管理がされていたが、中国軍の63式自動歩槍や81式自動歩槍といった新式銃の採用やアメリカへの輸出禁止などでこれらの需要が無くなると、安価なAKを求める顧客向けにした製品へシフトして品質が落ちたと考えられている*3。 1980年代から81式自動歩槍へと更新されているが、現代でも備蓄として相当量が残されている他、輸出向けに製造も継続されているようだ。 ちなみに、当サイトでは本銃を突撃銃のカテゴリとして扱っているが、中国軍は採用当初から現代に至るまでQBZ-56C以外の本銃を短機関銃として分類、運用しており、呼称も短機関銃である事を示している56式"冲鋒槍"となっている。これは本銃が54式冲鋒槍の後継として採用された為であるが、採用以降もフルオートでの射撃精度が後継の63式自動歩槍などガス規制子を持つ小銃に劣る事などの理由から分類が変更されていない。 (主なバリエーションモデルは、『USSR AK バリエーション』の項参照) このページの画像はウィキメディア・コモンズから転載しています。
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