大宇 K2 【突撃銃】 †
モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
K2 | 980(730)mm | 3.26kg | 5.56mmx45 | 20/30 | S/3/F | 韓国 |
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K1 | 838mm | 2.87kg |
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1970年代、韓国の大宇精密工業(現・S&T Motiv)社社は、韓国軍用としてM16A1のライセンス版(M603K)を生産納入していた。その経験を生かして1970年初頭から自国産ライフルの生産を目指して設計されたのが『K1』、及び『K2』である。
開発中はナンバーが割り振られておらず、コルトとのM16A1製造ライセンス訴訟の関係でフルサイズモデルの採用が見送られたため、カービンサイズのものが、旧式化した短機関銃の代替として先に採用され、K1のナンバーを与えられた。その後、コルトの訴訟を退けて軍の制式ライフルとしてナンバリングされたのがフルサイズのK2である*1。
外観上、K1/K2共にM16A1とよく似た作りであり、基本はほとんど同じで、ホールドオープンなどの機構もそのまま備えている。しかし、K1ではM16A1同様のガス直噴方式だった作動機構を、K2ではAK-47タイプのロングストローク・ガスピストン式に変更している。コッキングもM16とは異なり、K1、K2共にAK同様ハンドルがレシーバー右側面に配され、ボルトキャリアに固定されているため、ボルトフォワードアシストも備えていない。弾薬はK1ではM193、K2ではSS109弾の国産版となっている。ストックについてもK1ではテレスコピック式のワイヤーストックであったが、K2ではフォールディングストックになった。
銃身にM7バヨネットを着剣できるほか、K201 40mm擲弾発射器、もしくはM203擲弾発射器を装着することも可能。また、マガジンはM16のものがそのまま使用できる。
K2は1983年に韓国陸軍へ採用され、1990年代には主力火器として全軍に行き渡っている。K1は抗テロ・有事即応専門の第707特殊任務大隊やKP-SWAT(国家警察特攻隊)、海洋警察などの特殊部隊用として使用されている。
K1は配備後すぐにストックの脆弱性、反動・マズルフラッシュ・銃声の過大が指摘され、改修がまもなく行われた。この際フラッシュハイダーはラッパ型から上左右に放出口を持つ大型ものへと変更となっている。改修後のものはK1Aと呼ばれ、既に配備されていた初期型K1も全てK1Aに改修された。
K1Aはその後21世紀に入るとレールマウント及びレイルハンドガードを備えるようになっている。
2012年にはK2直系のカービンモデルであるK2Cが登場している。カービン化に加え、光学照準器を装備するためのピカティニーレイルとレイルハンドガードを備え、ストックもフォールディング機能の付いたM4風のテレスコピックストックに変更された。K2Cは韓国軍では採用されておらず、主に国外に輸出されたものが使用されている。なお、イラク軍特殊部隊向けに輸出されたK2Cがテロ組織ISISのプロパガンダ動画に映っていたことで、韓国内の物議を醸した。
2014年にはK2Cをベースに全軍配備のためのフルサイズ化を施したK2C1が発表され、2016年より生産・配備が始められている。レイルハンドガード化でハンドガードが樹脂製から金属製に変更になっているが、多弾数発射時に熱くなるという問題が報告されている。
民間向けとしてAR-100などのセミオートに限定したものも製造されている。
モデル | 解説 |
K1 | カービンモデル(初期型) K2設計の上でのベースとなったモデルで、本文中のような差異がある |
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K1A | K1の改修モデル のちにレイルマウントが追加された |
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K2C | K2の近代化カービンモデル 韓国軍では採用されず、イラク軍等に採用された。 |
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K2C1 | K2の近代化モデル K2Cの改良点をフルサイズモデルに合う形(バヨネット装備など)で適用したもの。 |
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AR-100 | 民間型。セミオートオンリー。 |
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DR-200 | 民間型。AR-100をサムホールストック化したもの。 |
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DR-300 | 民間型。DR-200の7.62mmx39弾版。 |
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