TDI クリス・スーパーV "べクター" / TDI KRISS Super V "Vector" 【短機関銃】

Vector SMG
モデル全長(伸長時)重量(弾薬含まず)連射速度発射形式口径装弾数製造国
Vector SMG610mm(692mm)3.1kg1100〜1500発/分S/2/F9mm×19
9mm×21
.40S&W
.357SIG
10mm Auto
.45 ACP
10/17/33/40
10/17
10/15/22/33
10/15/17
10/15/33
13/25/30
アメリカ
Vector CRB895mm(978mm)3.5kgS
Vector SBR610mm(692mm)3.1kg
Vector SDP425mm2.70kg

 スイスのガンマ・インダストリー傘下の銃器メーカー・TDI(Transformational Defence Industries:現クリスアームズ)社主導により、官民共同で開発された短機関銃

 拳銃弾、特に.45 ACP弾は高いストッピングパワー消音適性を持つ反面、発生する射撃時の反動も大きいため、軽量な銃で制御するには難しいとされていた。TDI社では法執行機関や軍組織向けの新しい低反動短機関銃を設計しアメリカから販売するため、M1トンプソンM10などの.45口径短機関銃に関する開発・実戦データを蓄積しているアメリカ陸軍ピカティニー造兵廠の開発研究部門・ARDECとの提携を行い、2006年より開発がスタートした。

 この共同研究により生まれたのが、本銃最大の特徴である「クリス・スーパーV;KRISS Super V System(KSVS)」という反動吸収システムである。このシステムでは、銃のボルトが下方向に動く可動ウェイトに接続されている。発砲時、ボルトが後退するとそのエネルギーは可動ウェイトにより下方向に変換され、これが通常生じる上方向の反動エネルギーと相殺される仕組みである。また、リコイルのベクトルを腕と肩で一直線に受け止めるため、KSVSにグリップフレームがピギーバック式で覆い被さり、銃身とグリップが一直線上に並ぶ特異なレイアウトとなっている。
 これらの設計により、高い反動低減効果を実現している。ARDECが行ったH&K MP5との比較ベンチテストでは9mm×19弾を使用するMP5に対して、銃口の跳ね上がりが90%減少し、伝わるリコイルショックは60%少なかった。

 製品化にあたっては、高品質な小火器用ポリマー製アクセサリーで知られるマグプル・インダストリーズが、研究用のプロトからの最終的な改設計を行った。現代小火器の定番となったピカティニーレールアンビタイプのセイフティレバーを標準で備え、銃身上のスロットにタクティカルライトを差し込むことが出来る。光学照準器との併用を前提としたフリップアップタイプの着脱式アイアンサイトは、マグプルが後に製品化したポリマー製バックアップサイト「MBUS」の前身である*1。チャージングハンドルも手前に引き出して用いるタイプで、携行時の引っ掛かりを防ぐと共に、抵抗の強いコッキングの初動を梃子の原理で行いやすくしている。
 撃発はクローズドボルトで、作動自体はディレード・ブローバック。弾倉はいずれの口径モデルでもグロックのものを使用し、それらの装弾数を拡張する「MagEx」マガジンエクステンションキットが標準で付属する。基本の.45ACPモデルでは、.45ACP用13連グロックマガジンを30連へと拡張可能である。ただしこのマガジンは給弾信頼性に難があったため、現在は「MagEx25+」の名称で基本25発、最大30発という扱いの製品となっている。
 口径については基本の.45ACP仕様のほかに9mm・.40S&Wへの対応が予定されていたが、これらの口径への対応は2015年のGEN2モデルの登場を待つこととなった。GEN2モデルからはロワーレシーバーの交換で口径の変更が可能となり、対応弾薬も10mmオート弾9x21mm.357SIGが更に追加された。
 2019年には「MagEx2」の名称で9x19mm弾向けの40連拡張キット、10mmオート弾と.40S&W弾向けの33連拡張キットも登場した。
 MagEx、MagEx2共に拡張マガジンはグロック拳銃においても装填可能である。

 一方、独特なレイアウトゆえセイフティ以外のレバーやボタンは、基本的に左手側で操作する前提となっている。マガジンリリースもマガジンハウジングを把持した手で操作する関係上、リリースしたマガジンを手で把握することは難しくなっている。このため、サードパーティからは延長マガジンリリースも販売されている。

 販売・製造は全て現クリスアームズ社が行っており、バリエーションは主に軍・法執行機関向けのSMGと、セミオートオンリーとした以下の市販モデル3種がある。サイレンサー風のシュラウドを持つ16インチバレルを備えたカービンモデルのCRB(Carbine Rifle Barrel)と、SMGと同じ5.5インチバレルのSBR(Short Barreled Rifle)。ストックレスのピストルモデルのSDP(Special Duty Pistol)である。
 初期モデルではSDP以外のモデルには共通のフォールディング・ストックを備え、CRBモデルのみフォールディング及びコラプシブルストックが禁止されている州*2ではオプションパーツの固定ストックが装備されていた。GEN2モデルではSDP以外のモデルは全てAR15用ストックアダプター及びストックが最初から装着されている。
 セレクティブファイアのコンプリートモデルのラインナップは9mmと.45ACPのみであるが、ロワーの交換で他弾薬でもフルオートで使用可能である。

 より小型化された「K10」モデルや、クリス・スーパーVを搭載した「KARD」拳銃などの製品も開発が進められている。過去には小銃弾モデル、.50BMGモデル、12ゲージ散弾銃モデルなども設計されていたようだが、実用化には至らなかったようだ。

 生産モデルは「べクター」という名称が与えられたが、開発中はメーカーでは「XSMG .45ACP」の名称で呼ばれていた。内部機構のクリス・スーパーVという名称が開発当時からのガンファンにとっては馴染み深いようである。ちなみにクリスとは、炎のような波打った刃の意匠で知られるインドネシアのナイフである。

登場作品ジャンル使用者備考
96時間/レクイエム項目参照
007(ゲーム)項目参照
6のトリガー項目参照
Alliance of Valiant Arms項目参照
Angel Beats!項目参照
Code 8短編映画ロボット警察官
Combat Arms項目参照
Fate/kaleid liner
プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!
アニメオーギュスト二挺撃ち
屋敷の中にも隠してある
第8話
HOME FRONT項目参照
LUCY/ルーシー映画チャンの手下ラストの銃撃戦で使用
MAG項目参照
PERSON of INTEREST
犯罪予知ユニット
ドラマジョン・リースシーズン1・第9話と第19話
Soldier of Fortune: Paybackゲーム名称「SV.45ACP」
ZIG World Can't Allrow Teller項目参照
アーミー オブ ツー項目参照
アベンジャーズ項目参照
エンド オブ エタニティ項目参照
ウォッチドッグス項目参照
怪滅王と12人の星の巫女漫画烏丸 稀奈子十字架型のマズルデバイス装着
第1話の扉絵で所持
カウンターストライク オンライン項目参照
学園キノ項目参照
ガンスリンガー・ストラトス3ゲームクロエ・アカネ本銃がモデルかと思われる
両勢力で所持
ストック及びフォアグリップなし
ホロサイト装着
レッグホルスターに携行
格闘攻撃の一つとして使用
ガン・ブラッド・デイズ項目参照
グリーン・ホーネット項目参照
クロスファイア項目参照
ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり項目参照
ゴーストリコン フューチャーソルジャー項目参照
コール オブ デューティ: ゴースト項目参照
コール オブ デューティ: ブラックオプスII項目参照
コール オブ デューティ: モダン・ウォーフェア2項目参照
荒野行動 -Knives Out-項目参照
ザ・ガンマン項目参照
さばげぶっ!項目参照
ザ・プレデター項目参照
スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン項目参照
スプリンターセル項目参照
スペックオプス ザ・ライン項目参照
ソードアート・オンライン
オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
項目参照
ちとせ中トゥルーパーズ漫画浦川 さおりAFS(宇宙害獣)駆除用の空気銃
外付け用エアタンクとチューブで繋いでいる
ポリマー弾を使用
二挺撃ち時もあり
第1話
笹野仕様は浦河の物と同じ
デス・ウィッシュ項目参照
デッドマン・ダウン映画ヴィクターSDP
ラストの銃撃戦で使用
トータル・リコール項目参照
ドールズフロントライン項目参照
ドリームバスター漫画血塗れローズ第6巻
バイオハザード(映画)項目参照
バイオハザード アンブレラコア項目参照
バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ項目参照
バイオハザード〜ヘヴンリーアイランド〜項目参照
バイナリー ドメイン項目参照
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生項目参照
バトルフィールド ハードライン項目参照
ファークライ3項目参照
プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ項目参照
ブラック・ブレット--項目参照
フロントミッションエボルヴゲームディラン・ラムゼイ他
(白兵戦可能な全キャラクター)
ホロサイト付き
ゲームオリジナルのショットガンタイプもアリ
ペーパーマン項目参照
メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮映画WCKDの特殊部隊ホルヘのアジト襲撃時に使用
メガロポリス・ノックダウン項目参照
レインボーシックス シージ項目参照
ロボコップ項目参照

動画

 

外部リンク

KRISS-ARMS.com


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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 「UMPクラス」の意味が分からない。具体的な数字出せるのそれ? -- 2016-11-25 (金) 07:34:12
  • UMPもVectorもMOA値みたいなのは聞いたことないからさ。UMPはストレートブローバックのクローズドボルト、こちらはディレイドブローバックのクローズドボルトで機構による精度差がMP5より少ないと思ったらからさ。 -- 2016-11-26 (土) 00:50:41
  • そう思うのなら普通まずUMPクラスという風には考えないのでは・・・
    拳銃弾は弾によって大きく精度が変わるからメーカ側も射程までは保証しても精度までは保証しないんだよ大体。例えばMP5でも軍が試験したデータでは弾によっては同じ100mでも倍以上の精度差が出てる。
    ttp://www.smallarmsreview.com/display.article.cfm?idarticles=3414
    ベクター9mmのベンチレスト精度試験はNRAがやってるけど、いずれも25ヤードでまだ3種類の弾しか試験されていない。
    ttps://www.americanrifleman.org/articles/2016/7/19/tested-kriss-usa-vector-gen-ii-sdp-9-mm-pistol/
    あまり信頼出来るとは言い難いが、.45ACPモデルの個人のベンチレストでは最高で25ヤード0.8インチというのも出てる。
    ttp://gunsgunsguns.net/kriss-vector-sdp/
    単純計算なら100ヤードで3.2インチグループであり、最初に貼ったMP5のデータの良い方に匹敵するものになるね。
    何にせよ9mmモデル自体が最近出たばかりだから、機械的な精度差に関するデータはまだ待つ必要があるだろうね。
    まさか今.45ACPと9mmで無理に精度を比べたいって訳じゃないだろ? -- 2016-11-26 (土) 04:51:43
  • グロックのマガジンが使えるのは9mmも40口径もなんですかね? -- 2017-03-25 (土) 17:24:53
  • そうです。装弾数を見てもらえれば分かりますが、.45口径の30連以外は全部グロックのマガジンの装弾数と同じものです。 -- 2017-03-25 (土) 17:53:11
  • ただただカッコいい…こんなに美しいフォルムを目の前で眺められたらどんなに幸せなことか… -- 2017-04-16 (日) 05:17:15
  • 耐久性はどうなのかしら。マグプル関わってるからなんとなく耐久性高いイメージあるけど -- 2017-06-13 (火) 01:49:38
  • まぁ構造が複雑な分、シンプルなものよりはどうしても落ちるでしょう。それとグロックマガジン側の問題で、古いG21マガジンでは薬莢が詰まりやすくなる問題があったそうな。現世代のマガジンでは解消されたとのこと。
    ttp://www.krisstalk.com/t202-jams-and-ejection-issues -- 2017-06-14 (水) 11:02:17
  • 軍・法執行機関向けセレクティブファイアは9mmと.45ACPのみなので追記。10mmAutoや.40S&Wはセミオートオンリーのモデルのみ。 -- 2018-05-02 (水) 16:28:20
  • 何かの手違いでこいつの5.7×28mmモデルとか出ないかなぁ。消音性のくだりからして難しそうな気もするけど、ウクライナでも新しく5.7mm撃てる拳銃出たことだし -- 2018-06-16 (土) 13:48:29
お名前:


*1 ベクターのものはアルミ合金製で、その刻印から「MBUS 2.5」と呼ばれている。
*2 カリフォルニア、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、マサチューセッツの5州

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Last-modified: 2019-10-08 (火) 17:46:26 (34d)