横撃ち †
ガンアクション映画などでよく見られる、銃を横に傾けて撃つ射撃方法。主に拳銃で行われる。
実際に遊戯銃などを構えてみれば判るが、サイトが使えず盲撃ちになるので命中率は限りなく低い。反動も制御しづらくなり、排莢方向も変化するため、装弾不良の原因にもなる。基本的には避けるべき行為である。
(遊戯銃で真似る場合も、ガスガンだと液体ガスが漏れやすくなり、ホップアップ機構のついた銃だと弾道が曲がるため、サバイバルゲームやシューティングマッチではやらない方が身のためである)
フィクションでなぜ横撃ちが多いかというと、『射撃手の顔がよく見える様に』と『空薬莢が横に飛びまくると隣の出演者やカメラクルーに当たるため』の二説が有力。
ただし、欠点づくめというわけでもない。横向きに構えると単純に視野が広がり、周りを確認しやすくなる。このためSWATなどの突入チームは、手にした防盾の覗き窓越しにハンドガンを横向きにして照準する訓練も受けている。狭い屋内戦闘であれば狙いのつけづらさもある程度は無視できる。
他にも銃が上下方向に揺れなくなるため、水平方向を掃射する際には都合がいい。M712/713などのフルオート拳銃で前方を薙ぎ払うように連射するときには、銃口の跳ね上がりを利用するために銃を横にしたという例もある。
近年ではアメリカのストリート・ギャングやチンピラなどが、このような横撃ち(風の雑な構え)をするのが警察などによって目撃されるようになってきている。このような輩の場合、発砲までのスピード重視で構えが雑になっているものと思われる。もっとも、正しいマークスマンシップの訓練を受けていない素人が映画などに影響された結果、正しい撃ち方の一つであると勘違いしているケースも多いようだが。
なお、ジョン・ウィックシリーズで有名になった「CARスタイル」は、こうした単なる横撃ちとは明確に区別される射撃術の一つである。