トリジコン ACOG †
ACOG(Advanced Combat Optical Gunsight)とは、アメリカのトリジコン(Trijicon)社が製造するスコープシリーズである。 両目を開けた状態での使用を考慮した設計(BAC:Bindon Aiming Concept)と、電池不要なトリチウム*1と光ファイバーを利用したレティクルの発光機構が特徴。 ピカティニー規格のレイルに対応したマウントを持つ他、AR-15系のキャリングハンドルに直接マウントすることも可能である。基本的に2本のネジ締め固定だが、モデルによってはQD(クイック脱着)タイプが装備される。 2000年代初頭のアフガン紛争やイラク戦争の頃、市街地戦で誤射が多発しており、アメリカ軍は敵味方・民間人を識別して誤射を防ぐ目的で、一般兵にも広くACOGを配備した。 「TA01NSN」は初期のACOGでSOPMODキットのBlock1に採用されている。このモデルには光ファイバーによる光源やBAC設計がない。 「TA31RCO(RifleCombatOptic)」は現在米軍で使用されているACOG。外形はほぼTA01と同じだが、光ファイバー・トリチウムのデュアル光源を持ち、レティクルはシェブロン(逆三角)形で常に発光する。 「TA11」は海兵隊向け分隊支援火器用ACOGで、倍率が3.5倍になり、TA01、TA31の弱点であったアイリリーフ距離が長くなった。 「TA648MGO」は機関銃用ACOGで、6倍・馬蹄型レティクルを持つ。主に海兵隊で用いられている。 この他、イギリス軍ではDoctor(ミニドットサイトの一種)を上部に搭載したTA31を、自衛隊のAASAM出場チームがLED+単三電池を使用するTA02を使用している。 シンプルで高性能なスコープだが、その分高価で、TA01NSNは1347ドル、TA31RCO-M150CPが1779ドル、TA11SDO-CPが2698ドルにもなる(2015年10月現在、Trijicon社ホームページより)。M4カービンの単価が650ドル程度と考えるといかに高いかが分かる。 一時期、軍に納入された製品に聖書の一節を示す刻印があったことで、イスラム系団体から反発を受け、物議を醸した。これに対し、トリジコン社は軍用モデルへの刻印を削るという対策を取った。トリジコン社によれば刻印は複数種類あるが、その節の内容は「光」に関するものでACOGの「電源なしに光り続ける」という特徴を表しているに過ぎず、聖戦の意味合いはないとされる。 このページの画像はトリジコン社から転載しています。
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