クローズドボルト / Closed bolt †
銃器の発火方式の一種で、「クローズドボルト・ファイア方式」とも呼ばれる。
薬室が「閉鎖された(closed)」状態から発火を行うことから、このように呼ばれる。一般的な自動拳銃の発火方式もこの方式に分類される。
- 発射の一連の流れとしては
- 1 コッキングによりボルトを後退させ、ハンドルから手を離すとリターンスプリングによってボルトが前進。マガジンから弾を押し出し、薬室に装填、閉鎖する。
- 2 引き金を引くとシアーが開放され、ハンマーが撃針(ファイアリングピン)を打撃、さらに撃針が弾丸の雷管を打撃し、撃発(発射)する。
- 3 燃焼ガスにより弾丸が銃口方向へ前進するとともにボルトが後退し、その際ボルトによって薬室から引き抜かれた空薬莢が排出される。
- 4 発射ガスによる腔圧が落ちると、後退したボルトはリターンスプリングによって再び前進し、この際次弾を掴み薬室へ送り込み、そのまま薬室を閉鎖する。なお、撃針は若干後退した状態で、ハンマーはシアーによって後退位置でそれぞれ保持される。以後2〜4を繰り返す。
引き金を引いてから撃発までにボルトの移動があるオープンボルト方式に比べると、クローズドボルトはトリガーを引いてから撃発するまでのタイムラグが短く、撃発時に重いボルトが動作する反動で銃がブレないことから、命中精度が高い*1。
ただし、ボルトと撃針が分離しているなど機構が複雑なぶん高コストとなり、運用にもより適切なメンテナンスが必要となる。
また、薬室が閉鎖されるため放熱性が悪く、構造上次弾が薬室内に残る事もあり、銃自体の熱で弾薬が自然発火し暴発する「コックオフ」のリスクを残している。
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