2022年2月24日にロシア連邦がウクライナ北部及び東部から侵攻した事を始めとする紛争。
2014年のロシアによるクリミア侵攻及び同年から続いていたドネツク州とルハンシク州における親ロシア派勢力による紛争を含める場合もある。
開戦当初、ロシア連邦軍はウクライナの北部と東部の国境*1から大規模な勢力をもって侵攻し、緒戦では北部においてウクライナ首都キーウ近郊まで迫ったものの、ウクライナ軍の反撃により後退。以後は東部と南部での戦いに移行して東部の諸州と南部クリミアを繋ぐ広範囲を占領したが、9月頃よりウクライナ側による反攻が目立っている。
2022年に勃発した、超大国の正規軍と、そのかつての同盟国同士の紛争という事から、当初は先進装備が戦場を支配するハイテク戦争となるのではと予測され、総兵力での優位に加えて先進装備開発においても優位にあると見られていたロシアが短期に勝利するという見通しが大半であった。
しかし、実際には開戦から間もなくしてロシア軍が稚拙な動員・作戦計画を露呈させた事に加え、ウクライナが戦時動員を間に合わせて緒戦の北部攻防を凌ぐことに成功。ゼレンスキー大統領らウクライナ政府要人も現地に留まっての徹底抗戦をアピールしたことで、ウクライナは世界各国から大量の軍事支援を取り付けることも出来た。また秋頃より協力国での訓練を終えたウクライナ軍兵士が帰国して戦線に加わった事により、情勢はウクライナ側がやや有利に傾いている。
またウクライナ側には日本を含む西側各国、さらにはロシアやベラルーシなど52ヶ国から約2万人*2の義勇兵が参戦しているが、彼らの身分は金銭的利益を主たる目的とされている傭兵ではなく、ウクライナ陸軍の指揮下にあるウクライナ郷土防衛隊の外国人軍団などに所属して、ウクライナの法律に基づき、他のウクライナ軍部隊に所属するウクライナ人兵士と同じ待遇を受けている正規軍人となっている。
短期決戦に失敗したロシア軍は東部戦線での攻勢を継続するも、その実態は開戦前の両国の国力差からするとまるで異なった様相を見せており、想定外の長期戦に引きずり込まれることになった。2014年からの経済制裁によってロシア国内での先進装備(航空機や精密誘導弾など)の開発や配備も滞っていたことで、徐々に旧ソ連時代からの備蓄兵器が戦場に顔を見せるようになっている。この侵攻作戦に否定的な兵士が戦闘車両ごと投降する事態も相次いでおり、士気の低下が懸念されている。戦力の不足からロシアは9月に30万人の部分的動員を開始したが、この動員兵に支給するはずだった装備が横流しや書類の改竄により消えていたり、備蓄されていた銃器の一部が不適切な保管環境により使い物にならなくなっている事が判明するなど、お粗末な実態が多々明らかになっている。さらに10月頃よりワグナー・グループの参戦も確認されている。
この紛争では、ロシア側が備蓄兵器を、ウクライナ側も同様の(旧ソ連時代からの)備蓄兵器に加えて民間市場に流通していた銃器や世界各国からの供与兵器を運用している事もあり、1国対1国*3の紛争にしては特異な事に、極めて多種多様な武器が運用されている。
なお、ウクライナはロシア側勢力から余りにも膨大な数の兵器を鹵獲しており、戦車や装甲車などの一部兵器の供給数に至ってはロシアからの鹵獲によるものが最多となっている。このためウクライナに対する最大の支援国にロシアを挙げているメディアが一部有る他、ウクライナ国防省やウクライナ軍兵士らもロシア側勢力から鹵獲した兵器の事を「レンドリース」と、これらをロシア側に向けて使用する事を「返却」と揶揄している事がある。
以下に各参戦勢力が運用している武器を纏めている。多種多様な武器が扱われている為、一部の派生型は省略している。また一部の銃器は敵対勢力による鹵獲が確認されているのみで実際に使用した勢力を推測としているものがある。
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