US Mk.19 【擲弾発射器】 †
全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
1094mm | 33kg | 40mm×53 | メタルリンク | F | アメリカ |
ベトナム戦争中の1966年に開発されたオートマチックのグレネードランチャー。
当時、川岸から哨戒艇などを攻撃してくる解放戦線(ベトコン)に手を焼いていたアメリカ海軍は、手動連射式のグレネードランチャーMk.18を投入。ジャングルに隠れた敵でも強力なグレネードで制圧できるMk.18はそれなりに有効な兵器だったが、やはり手動式では威力不足は否めず、続いて開発されたのがこのMk.19だった。
ブローニングM2機関銃を参考に開発されたが、作動方式は単純なストレートブローバックである。着弾地点から半径15m以内の人間を殺傷するM430 40mmグレネード弾を、毎分40〜60発、最大射程2200m、有効射程でも1600mの範囲にばら撒くことが可能な極めて強力な兵器である。トライポッドで地面に設置するほか、車両や哨戒艇に搭載することも可能と運用範囲は広い。
当初は海軍、海兵隊でのみ使用されていたが、1988年にサコー社が大量生産を請け負い、陸軍、空軍にも本格的に導入された。現行のMod 3は1976年に改良された、分解組み立てを容易にしたタイプ。
ベトナム戦争のみならずグレナダ侵攻やパナマ侵攻でも使われた他、1991年の湾岸戦争「砂漠の嵐(デザートストーム)」作戦でも、ハンヴィー(ジープの後継である高機動多用途装輪車両)に搭載されたMK19が活躍し、敵の歩兵部隊を壊滅させるなど、多大な戦績を残している。
一方で、問題は三脚も含めると66kgにも達する重量で、車両ならともかく、歩兵が運搬・運用するには難があった。そのため、アメリカ軍はより軽量な新型ランチャー、Mk.47『ストライカー』を2006年に制式化、Mk.19を補完する形で、特殊部隊などに限定的に配備している。
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