イジェメック MP-443 “グラッチ”/ ИМЗ MP-443 Грач(Grach) 【自動拳銃】 † ロシア政府からの要請で、イジェフスクのイジェメック(イジェフスキー・メカニチェスキー・サボドの略。現バイカル社)が開発したロシア軍の新型制式拳銃。 「グラッチ」とは開発中の仮名称で、ミヤマガラスという烏の一種のこと。ロシア国内ではマカロフなどと同じく、設計者ウラジミール・アレクサンドロヴィッチ・ヤリギンの名から「ヤリギン拳銃 (PYa / Pistolet Yarygina;ピストレット ヤリギナ)」と呼ばれている。 作動はトカレフ以来のティルトバレルを用いたショートリコイルへ回帰したが、閉鎖にはシグやグロックなどに見られる排莢孔をチャンバーブロックと嚙合わせてロックする設計が採用された。撃発にはオーソドックスなコンベンショナル・ダブルアクションのトリガーを備え、マニュアルセイフティはデコック機能は無いものの、アンビでコック&ロックも可能だ。暴発を防ぐAFPBも備え、材質も軽合金や新素材は用いず、スライド、グリップフレームともスチール製と、極めて堅実(保守的)な造り。マガジン容量が18発(初期型は17発)と、同クラスの拳銃と比べてやや多いのも特徴である。 2003年の採用決定後もロシア軍の財政的問題から普及は遅れ、連邦保安庁(FSB)、警察や内務省(MVD)の特殊部隊といった限定的な配備に留まっていた。しかし2010年代には全面的な供給が開始され、マカロフからの更新が進んでいる。 派生モデルのMP-446、通称「ヴァイキング」は、MP-443の兄弟銃で、強化ポリマー製のグリップ・フレームをもつ以外、構造はほとんど変わらない。ロシア軍の次期制式拳銃トライアルの最終段階でテストされたが、ポリマーフレームの耐久性への不安からキャンセルされた。現在はMP-443のスポーターモデルという位置付けで、輸出や国内のセキュリティ機関向けに販売されているようだ。
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