ZID(V.A.デグチャレフ設計局) KORD / ЗИД Корд 【重機関銃】 †
1991年、ソ連が崩壊し、ロシア連邦として再編された際、NSV重機関銃の生産拠点であったカザフがカザフスタン共和国として独立。そのためにNSV本体や保守部品などが供給できず、運用が維持できなくなってしまう。
そこで、ロシア連邦がデグチャレフ設計局に依頼し製造されたのがこのKord(Kovrovsky ORuzheiky Degtyarevty;Ковровские ОРужейники Дегтярёвцы)重機関銃である。
操作方法や外観はNSVと似ているが、内部機構は大幅に変更され、またマズルブレーキを備えているのも特徴。このため、反動はNSVより大幅に軽減され、射手がスリングに吊るして腰だめで立射できるほど軽減されている。
歩兵用の6P58や6P60などは通常、銃架に据えての運用となるが、同クラスのブローニング M2と違いピストルグリップとスケルトンストック、バイポッドを備えた6P57(上掲写真)をそのまま銃架に据えているため、銃架から外しても二脚を用いて運用することが可能となっている。
車載用モデルは電気式トリガーで、ケーブルを車両側に設けたトリガーに接続すること発砲できる仕組みになっている。これはNSVと同様の仕様である。
1998年からロシア軍で制式採用され、NSV重機関銃と交代が進んでいる。
各種バリエーション †
GRAUコード | 用途 | 特徴 | 重量 |
6P49 | 車載用 | 6U37電気式トリガーを使用 | 25.5kg |
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6P49MT | 車載用 | 6U37電気式トリガーを使用。T-90MのRWS用モデル。発射速度が600-650発/分に落とされている | 25.5kg |
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6P49T | ヘリコプター用 | 6U37電気式トリガーを使用。ヘリコプターのパイロン固定機銃用モデル | − |
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6P49V | ヘリコプター用 | 6U37電気式トリガーを使用。ヘリコプターのドアガン用モデル | − |
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6P50 | 歩兵用 | 機械式トリガーを使用 | 25.5kg |
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6P51 | 車載用 | 6U37電気式トリガーを使用。戦車などの同軸機銃として用いる為に6P49の給弾方向を右から左に変更したモデル | 25.5kg |
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6P57(6P50-1) | 歩兵用 | 6P50に6T19(ピストルグリップとスケルトンストック、バイポッドを備えたマウントユニット)を取り付けたモデル。上掲写真のモデル | 32.5kg |
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6P58(6P50-2) | 舟艇・陣地用 | 6P57を6U16銃架に据えたモデル。二脚を取り外している場合も有る | 60kg |
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6P59(6P50-3) | 舟艇・陣地用 | 6P58の6U16銃架に支柱を取り付けたモデル。二脚を取り外している場合も有る | 80kg |
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6P60 | 歩兵用 | 6P57を6T20三脚に据えたモデル | 50.5kg |
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