USSR VSS / СССР ВСС 【自動小銃(狙撃銃)】 †
1980年代末にソビエト連邦のデジニトクマッシ(TSNIITochmash)が特殊部隊向けに開発した、銃身一体型のサイレンサーを装備した狙撃銃(自動小銃)である。VSSとは“Винтовка Снайперская Специальная;Vintovka Snayperskaya Spetsialnaya(特殊狙撃銃)”の略字。コードネームのヴィントレス(Винторез;Vintorez)とは「糸鋸」のこと。 AKシリーズに似たロングストローク・ガスピストン作動とロータリーボルトを備え、機関部の外観もAKを踏襲しているが、部品に互換性はない。撃発もハンマー式のAKと異なりストライカー式で、セレクターもセイフティとは分たれ、トリガー後部に備えられたクロスボルト式のセレクターボタンによってセミ/フルを切り替える。バックアップサイトは銃本体でなくサイレンサー側に設えられた点も特徴的である。特殊作戦用に分解してアタッシェケース等にしまえる設計ともなっている。 当初、AK47との互換性を考慮して7.62mm×39口径となる予定だったが、超音速の飛翔体が放つ衝撃波音を抑える亜音速弾としながらもボディアーマーを着た完全武装の兵士を400mの距離から撃ち抜く、という要求性能を満たすため、9mm×39という特殊な弾薬となった。 旧ソ連時代には完成していたが、その本格的な運用が見られるのはソ連崩壊以降である。現在ではロシアの軍法執行機関の特殊部隊で広く採用されているほか、アルメニアやベラルーシなどの旧共産圏でいくつか導入例が見られる。
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