マグプル マサダ / Magpul Masada 【突撃銃】 †
“Magpul(マグプル)”は、マガジンにつけるゴム製ストラップで、その名の通りマガジンポーチからマガジンを素早く引き抜くための優れたアクセサリーとして知られていた。これを開発したその名も「マグプル」社は、その後も外観と機能性とに優れた(主にポリマー素材の)小火器用アクセサリーを次々と発売し、いずれも好評を博していた。 基本的な設計は既存のライフルのいいとこどりとなっている。機関部はAR18のガスオペレーションメカニズムを採用し、ボルト部はAR15/M16のそれそのものである。セレクター操作はドイツのG3系を踏襲したものだが、トリガーユニットはこれまたAR15/M16そのままであり、ボルトと並んでサードパーティーのAR15系パーツが組み込み可能である。金属製アッパーレシーバーと軽量なポリマー製ロワーレシーバーの組み合わせはベルギーのSCARに倣ったものといわれている。各種レバー類はアンビデクストラスで、構えを左右スイッチしても不都合なく操作可能となっている。プロトタイプではコッキングハンドルが機関部に配されていたが、製品版ではフォアエンド上部に移設された。射撃時に動かない非連動式ハンドルだが、連動しないのは完全に前進している時のみ。射手がハンドルが操作しているときはAUGのようなボルトとハンドルの連結操作なしで自動で直結状態となり、不完全閉鎖が起こった場合にボルトを手動で前進させることができる。 コンセプトは「Adaptive combat weapon system」。つまり変貌できる戦闘銃であり、古くはストーナーが挑戦し、近年ではSCARやXM8などが実現した最新の歩兵銃トレンドである。 マサダは発表からまもなく、AR15系クローンで有名なブッシュマスター社によって製造・販売権を買い取られた。その後はブッシュマスターと同資本下にあるレミントン社も供給元として名乗りを挙げたことから、前者は「ブッシュマスターACR(Adaptive Combat Rifle)」の名で民間市場にセミオートオンリーの製品を、後者は「レミントンACR」として、軍・法執行機関向けにフルオート射撃が可能なセレクティブファイアの製品を供給することとなった。市場価格はオプションにもよるが、いずれも2010年4月の販売開始当時で2000〜3000ドル台と非常に高価で、AR15系ライフル/カービンの2〜3倍であった。 なお、2009年には、マサダの7.62mm×51弾モデル「Massoud(マスード)*3」がSHOTショーで発表され、実射可能なプロトが公開されていたが、以降の開発については明らかとなっていない。
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