ベレッタ ARX160 / Beretta ARX160 【突撃銃】 †
イタリア軍が制式採用しているAR70/90の後継として、ソルダートフトゥーロ計画(未来兵士計画、イタリア版フューチャーソルジャー)下で開発された突撃銃。開発はベレッタ社が担当し、同銃に装着するアンダーバレルタイプグレネードランチャー「GLX160」とともに2008年に発表され、イタリア軍で試験採用されている。 本体はその多くをポリマー製とし、エルゴノミクス(人間工学)に基づいた構成としている。レシーバー上部とハンドガード左右及び下部に合計4つのピカティニーレールと、バックアップ用のフリップアップサイトを装備する。セレクターレバーとマガジンリリースボタン(トリガーガード下部にもあり、合計3つ)はアンビ仕様。バットストックは横方向に折畳可能で、4段階で伸縮する。 各種軍用小銃弾に対応するマルチキャリバーを企図した設計で、5.56mm NATO弾モデルとカザフスタンでの採用が確認されている7.62mm×39弾モデルの他、2015年には7.62mm×51弾仕様モデル「ARX-200」が発表された。排莢方向の切り替え機能がない以外はARX160と機能面では同一であるが、単なる口径違いモデルではなく、イタリア軍の要求に応じたDMRとしての機能を重視した高精度の設計となっている。メーカー公称の集弾率は1.5MOAとなっており、5.56mm NATO弾や7.62mm×39弾にコンバートして小口径のDMRとして運用する事も可能となっている。また7.62mm×51マガジンは、NATO標準規格だけでなくSR-25マガジンにもアダプタによって対応するとされている。 ソルダートフトゥーロ計画では、ARX160に装着するICWS照準装置とGLFCS(擲弾射撃統制装置)が、同国のガリレオ社によって開発されている。ICWSはIR(赤外線)タイプのナイトビジョンを内蔵し、スコープとダットサイトなどが組み合わされて、昼夜共に遠近いずれのレンジでも照準が行える。またTVカメラを備え、照準画像は射手が装備しているヘッドアップ・ディスプレイでも見ることができる。 現在、アルバニア軍の特殊部隊、メキシコ軍、トルクメニスタン軍など10数か国で採用されている。グレネードランチャーのGLX160の方については、カザフスタンとトルクメニスタンでARX160と共に採用されており、日本では20式小銃のアドオンとしてランチャー単体が採用されている。
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