マガジンキャッチ / Magazine catch †
装填された脱着式弾倉(マガジン)を固定する装置。一般にツメや凸形状で、弾倉の溝や底部に噛み合う仕組みとなっている。
これを解放するレバーないしボタンは「マガジンリリース(Magazine release)」といい、マガジンキャッチと一体の部品となっている場合がほとんどである。
20世紀中盤までの自動拳銃では「コンチネンタルタイプ」と呼ばれる、グリップ底部にキャッチ/リリースレバーを設けたタイプが主流であった。一般的には不意の誤操作が起きないため、確実に固定される方式と言われている。しかし両手を用いるので「握り手で空弾倉を排出しつつ、添え手で予備弾倉を持ってくる」スピーディな動作ができず、現在でこのタイプのマグキャッチを選択する新型拳銃はほとんどない。
現代では、ブルパップ型などの構造的に実現できない場合を除き、マガジンリリース部は素早く操作しやすい部分に設けられるのが銃器設計の定石である。自動拳銃なら大半がトリガーガード付け根付近の握り手の親指近くになる。小銃や短機関銃であれば握り手の人差し指や添え手が届きやすい配置、あるいはマガジンを取り出しながら操作しやすいマガジンハウジング根元となる。
自動拳銃でトリガーガード根元にマガジンキャッチを設ける場合はボタン式とすることがほどんどだが、H&Kの自動拳銃はP7やUSPを始めとしてパドル式を採用している。パドル式のメリットはアンビ性であり、サイズ制約のある自動拳銃ボタン式のマガジンキャッチを左右入れ替えることは出来ても両方同時に操作することは難しいが、パドル式であれば入れ替えることなくアンビで操作が可能だ。一方でレバーが肉を挟みやすいという意見もあり、また市場で大半を占めるボタン式に慣れたユーザーからは操作しにくかった。このためVP9ではパドル式がメインではあるものの、ボタン式も導入されている。
競技用銃(レースガン)などでは、より確実に素早く操作できるように大型のマガジンリリースボタン/レバーを装着することもある。ただし何かに引っ掛けて誤操作してしまうリスクも高まるため、軍用やホームディフェンス用の一般的な銃では過度な大型化は避けられている。
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